福島県教育センター所報ふくしま No.44(S54/1979.12) -021/034page

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  子 供 の 症 状 教 師 の 援 助 活 動
担任が活動すること 親にやってもらうこと












 がでてくる。
 ・勉強などし始める。
7.登校したいがそのきっかけを待っている。
 ・学校の用意などするようになる。
  だろう」「学校へ来る時の気持ちはどんなだろう」などについて話し合う。
 イ.グループ編成,係活動について配慮しておく。
 ウ.学校からの連絡,授業の進度などを定期的に知らせる。
 エ.家庭へ時々電話をする
7.家人が連れて来れないときは,担任自身が迎えに行っでみる。
 ○小学生なら段階的に登校できるようにするのもよい。
 ア.初めは玄関まででる(カバンをもって)。
 イ.次に学校の途中まで行く。
 ウ.校門まで行く。
 エ.学校へ行き,教室に顔をだすことができる(これだけで帰宅させる)。
 オ.1時間授業を受けて帰る。
 カ.2時間までいられる。
 キ.午前中ずっといられる。
 ク.完全登校できる。
  い。
 ・時間的にけじめのある生活をおくらせる(起床,食事,遊び,勉強,就寝など)。
 ・おくれた学業に対する両親のあせりを子供にぶつない。
7.「お父さんが車で送っていってあげよう」と気軽にきりだすことができるとよい。
 ・「○日から学校へ行くんだよ」の予告はやめる。緊張を与えることになる。
 ・少しでも努力したことをほめてあげる。
 ・この段階でも 勉強は強要しない(学校へ行くだけがせいいっぱいである)。











○ 登校をすすめる親に乱暴をする。
 ・親に乱暴する。
 ・家具をこわす。
 ・バットをふりまわす。
 ・家の中で紙に火をつけておどす。
 ・部屋にカギをかけて誰れも入れない。
1.親とのかかわりを密にする。
 一週に一回は相談にのる(親の精神安定をはかる。)
2.子供に対しては
 ア.あせらずに見守る。
 イ.子供のやり切れない気持ち,暴力をしなければならない気持ちを受容してやる。
3.教師はチームをくんで対処する
。 ・事例研究会をもつ。
 ・担任という役割が子供にとって障害になっている場合,他の先生が子供に会い,気持ちをきく。この場合,担任は親に会い,ありのままの気持ちをよくきく。
1.担任と定期的に相談する。
 ・登校刺激は一切しない。
 ・長期戦なので腰をすえて子供に対処する。
2.子供が暴力をしなければならない気持ちを理解する。
 ・子供が暴力を始めると「気が狂ったのではないか」と考えがちであるが,そうではないことを理解する。
 ・欲求不満・不安感を暴力により解消していることを理解し,本人の行動を受け入れてやる。











○ 昼頃起きだし,テレビを見たり,レコードをきいたりしている。
 夜は深夜放送等で時間をすごしている。
 ・気分のいいときは,親の呼びかけに素直に耳をかたむけるようになる。
 ・緊張がだんだんとけてくる。
1.定期的に親と面接をし,子供の心の動きをつかむ。
2.その子供なりに活動できるよう援助してやる(子供は自分の枠の中でしか動けないでいることを理解する)。
 ア.子供の趣味につき合えるようにする。
 イ.家庭訪問をする(放課後,夕方など)。
  ・生活のリズムを一緒に考えてあげる。
3. 心の緊張がとけてきたら,初期の段階の3.〜7.の援助活動を参考に活動する。
※ 手に負えないときは,専門機関の利用をはかる。
○ 次の事項に留意して子供に接する。
 ア.楽な気持ちで子供に接する (学校,勉強以外のことなど気軽に話しかける)。
 イ.子供の内面に目を向け,以前の本人と違うことに気づく。
 ウ.子供には主体的に行動させる。
  ・好きなことは気のすむまでさせる。
  ・ムダな遊びや行動が次の活動へのエネルギー源になっていることを理解し見守る。
 エ.担任の先生との連絡を忘れないようにする。

3.おわりに

 医師が患者を診断し治療するとき,常にその病状に見通しをもうて対処していくように,登校拒否児に対しても,教師は以上に述べられた症状の進行過程のどの辺なのかを良く見極めて援助活動にあたっていくことが大切である。
 しかし,個々の事例は子供の発達段階により,症状の形成要因がみなちがう。従って,子供の拒否の原因をよく追求し,それに応じて対処していかねばならない。
 いずれにしろ,登校拒否児は,生まれたときから今日まで,親の誤った養育により耐性の弱い人間に仕立て上げられてしまっただけに,親子の人間関係にメスを入れ,一方では,本人の耐性強化に努力を注いでいくことが必要であろう。


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