4. 私達まわりから見ると,指導がうまくなされつつあると思うのですが自分ではどう感じられていますか。 |
表面的には,子どもと笑い興じることができるようになりました。しかし,まだ,子どもに自分は受け入れられていないと感じさせられることが多くあります。子どもの心をときほぐしながら接しているのに,指導や指示が受け入れられないとき,とてもがっかりさせられることがあります。そんなとき,あせって密着しようとすればする程反撥(ぱつ)を受けます。
学習面でも,課題をしてこなかったり,用具を忘れたりで,せっかく身についていた良い習慣まで駄目にしてしまったのではないかと心配になってきてもいます。
5. いろいろ悩んで参考書など読んだと思いますが,どんな本が役立ちましたか。 |
いろいろ読みましたが「喘息児の根治療法」という本や「うさぎの目」という教育問題を描いた小説等です。
理論でなく,自分が教師としてしなければならないことや,そのしかたがわかる本が役立っていますし,これからも読みたいと思います。
6. この8か月を振返って一番楽しかったこと悲しかったことはどんなことですか。 |
とても嬉しく楽しかったのは,子どもが「先生」と話しかけてくれたときです。それは,教室を離れ散歩しながら話したり遊んだりしていたときで,子どもの一面を発見でき,子どもが何を新しい先生に求めていたかがわかったような気がしました。
悲しくつらいことは,毎日あります。一番は,なんといっても授業でどうしたらよいかわからず立往生しそうになることです。それから,子どもを「こう直してあげよう」と思っても,その気持ちがわかってもらえぬときなどで,数え切れない程あります。
7. いろいろ問題や悩みが多いことがわかりましたが,先輩である我々に何か要望したいことがありますか。 |
先に話したとおり,自分達の気づかないことは率直に指摘してほしいと思います。又,わからぬことも多いので教えていただきたいと思います。 しかし,いつまでも甘えておらずに自分の考えを自信をもって打ち出し,問題に向えるようになろうと決心しています。ただ,こうした現場で必要なことを学生時代に学んでおきたかったと後悔もしています。
(3)結果の考察
先の(1),(2)の調査結果でT教師,Y教師の一番身につけたいこと,又,先輩でありアドバイザーである筆者のねらいとの間に大きな隔たりのあることがわかる。筆者のねらいは実践をとおし共に「病弱児の個の理解とその指導」であったが,T教師,Y教師は「子どもに受け入れられ,自信をもって教えることのできる自分になりたい」と願っていた。
このことをどう考えたらよいだろうか。私は空理ではなく日常の業務をとおし一歩一歩養護教育の課題に向うことのできる指導力を身につけるようにと方針を決め,計画・実施してきた。
ここで,もう一度筆者自身の発想を吟味して何が正しく,何が誤りなのかをつきつめてみることにした。
1. 筆者の発想
新任教師へ筆者の要望することの基本事項
(子どもの指導に際して)