福島県教育センター所報ふくしま No.44(S54/1979.12) -029/034page

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て実施したが,本校の教育目標は生徒たちによく理解され,意識化されていないことがわかった。
○ 男子と女子を比較してみると,女子の方の理解・意識度が高い。ものごとにまじめに取り組む女子の気質がうかがわれる。
○ 学校よりも学年,学年よりも学級の目標がよく理解されているのは,指導の機会の多少によるものではないだろうか。
○ 目標内容にいろいろな価値要素が含まれていると,生徒に理解されにくいことがわかった。つぎにあげる学年目標と,調査2の理解度を比較してみるとわかる。
1年学年目標 集団の中で自分の能力を発揮し,仲間のよさを見い出し,きびしさに耐える生徒
2年学年目標 何ごとにもねばり強くがんばる生徒
3年学年目標 この一時間で学びとった一つ一つを生かして,石中の基礎固めをしよう。
  1. 生徒の努力目標についての調査生徒一人一人が教育目標,学年目標,学級目標をどのように受けとめて,どのような努力目標を設定し,どんな機会にその実現を図っているかを知るため,あわせて次のような調査をした。
    調査4.自分の努力目標を持っているか 1年 2年 3年 男全 女全
    ア 持っている 68% 70% 49% 54% 70% 62%
    イ 持っていない 32 30 51 46 30 38

    調査5.どんな機会に努力すれぱよいか明らかにしているか 1年 2年 3年 男全 女全
    ア している 47% 40% 32% 33% 46% 39%
    イ していない 53 60 68 67 54 61

    調査6.自分で評価してみなさい 1年 2年 3年 男全 女全
    A 80点以上 1% 3% 1% 2% 2% 2%
    B 70点〜50点 52 54 44 43 57 50
    C 50点以下 47 43 55 55 41 48

    調査7.あなたの努力目標を書いてください。

    イ 考察
    ○ 自己の目標を設定し,目標へ到達を期して向上しようという意欲は上学年になるにしたがって強くなるだろうと推測していたが,予想に反して3年生が落ちこんでいる。
    ○ 男子と女子とを比較すると,いずれの調査においても,女子はよい傾向を示している。
    ○ どんな機会や場面で活動すれば自己の目標へ到達するか明確にされていない。努力目標を持っている者の中でも過半数がそれに該当する。
    ○ 学期のはじめには努力目標を持っているが,いつのまにか忘れてしまい,記入できなかった者がかなりある。
    ○ 努力目標が行動化された表現,内容を持っていないため,適正な評価がなされていない。
    ○ 実際にどんな努力目標を設定していたか。
    • 何事にもベストを尽くしてがんばろう。
    • 悔いの残らないよう学習に運動に励む。
    • 上級生らしい態度をとる。
    • 積極的な態度で何ごとにものぞむ。
     と言うように抽象的で可測性に乏しい目標を設定している。

(2)教育目標の具現化について
 学校教育目標については,年度当初全教師の共通理解,連帯意識のもとに,その具現化に取り組んだはずであったが,調査の結果を見るとまことに低調である。そこで次のような方策を講じてこの問題に対処した。

  1. 連帯意識による学年部の取り組み 学校教育目標具現化の具体的な場は各学級にあるが,学級によって受けとめ方,具体化の仕方に違いがでたり,担任の個性が強すぎたりしては,学年としてのまとまりがない。そこで学


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