福島県教育センター所報ふくしま No.45(S55/1980.2) -003/034page

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  ・後の文が、前の文の説明であったり、補足であったりする場合は、前の文が中心文

[主な接続語] それとも/しかし/しかしながら/しかるに/でも/けれど/それでも/それなのに/それにしても/とはいえ/だけど
 (3) 補足・説明 (前の文の内容に、後の文で説明を補う関係)
  ・前の文が中心文

[主な接続語] つまり/すなわち/たとえば/なぜなら/ただし/だって/もっとも/なぜかというと
 (4)累加・添加 (前の文の内容に、後の文の内容を付け加える関係)
  ・前後どちらの文が中心文であるかはいえない。
  ・そう入文や補足・説明として添加された場合は、前の文が中心文である。

[主な接続語] また/および/かつ/そのえう/それに/そして/しかも
 (5)並立 (前の文と後の文が、同時に並ぶ関係)
  ・前後どちらの文が中心文であるかはいえない。

[主な接涜語] および/かつ/そして/また
 (6)選択 (前の文の内容か後の文の内容のどちらかを選ばせる関係)
  ・前後どちらの文が中心文であるかはいえない。

[主な接続語] あるいは/それとも/ないし/または/もしくは
 (7)転換  (話題を転じる関係)
  ・前後どちらの文が中心文であるかはいえない。

[主接接語] さて/では/それでは/ときに/ところで

2 意味・内容・表現の関係から
 (1)湘互の文の内容が同じである場合 (言い換え・繰り返し)
  ア 要約文と要約されない文
   ・要約文がより中心文、「すなわち」、「つまり」などの接続語に導かれることが多い。
  イ 断定的表現と推量的表現
   ・断定的表現がより中心的文
  ウ 問題提示(疑間)と結論(答え)
   ・結論(答え)がより中心的文
  工 肯定文と否定文
   ・肯定文がより中心的文
  オ 抽象的表現と具体的表現
   ・抽象的表現がより中心的文
  カ 例示・説明・解説と意見・結論
   ・意見・緒論がより中心的文
  キ 比ゆ表現と比ゆを用いない表現
   ・比ゆを用いない表現がより中心的文

 (2)胞の文に包括される内容の文とその文を包括し新たな内容を加えている文
 ・他の文を包括し、新たな内容を加えている文がより中心的文

 (3)脂示語を含む文とその指示内容に当たる文指示語を含む文がより中心的文

 以上のような基準に従えば二(シカク二)段落では、1.(マル1)2.(マル2)文とも「スズメはいたる所に住んでいる」という内容で共通しているが、2.(マル2)は「しかし」という逆接の接続詞に導かれ、しかも「・・・・・であろうか」と1.(マル1)の内容を疑って新たな問題を提起しているので、教科書のいうように、2.(マル2)が中心文であることが分かる。
 一方、E段落については、1.(マル1)2.(マル2)の文末表現を比較すると、1.(マル1)は「〜まい(打消の推量)」で、2.(マル2)は「〜だろう(断定十推量)」であまり違いはなく、内容では、1.(マル1)が「スズメをだれでも知っている」だけなのに、2.(マル2)は「〜親しまれてきた」という新たな内容が加えられ、深化していることから、このE段落に限っていえば、かえって2.(マル2)が中心文として適当であるかのようにみえる。しかし、目の1.(マル1)の「だれでも知っている」と日の中心語句「いたる所に住んでいる」とは、互いに響き合う関係にあるので、やはり1.(マル1)を中心文とみるのが妥当であろう。

3 要点をまとめる

「要点のまとめ方」は、教科書も述べているように「各段落の中心となる文はどれかを見付ける」ことが最もよい方法であろう。以下、具体的な例に添って考えてみたい。

例1 三段落の文図

 1.(マル1)山地、2.(マル2)平地、3.(マル3)秋は、と場所や時に違いはあるが、結局、1.(マル1)「〜聞こえなくなってしまう」、2.(マル2)「〜見られなくなる」、3.(マル3)「〜見かけることができなくなる」といずれも「人家をはなれた所では」、「スズメ」の姿や声をとらえることができなくなるという具体例であることが分かる。それに対し、4.(マル4)は、より摘象的な要約した表現であり、「〜のである」という断定的な文末表現になっているという点で、1.(マル1)2.(マル2)3.(マル3)の具体例から導かれた結論であることが明らかである。したがって三(シカク三)の要点は、「スズメは人家付近にしか住んでいない」となる。また、この文は、具体例→結論の最も典型的スタイルで、児童に「要点をまとめる」練習をさせるのに格好の例文だといえよう。

例2 四段落の文図

四(シカク四)段落の「要点のまとめ」は、例1三(シカク三)段落の場合より、やや難しい。というのは、中心文を見付けることが困難なことと、中心文と思われる文だけでは、「要点をまとめる」のに十分でないという点にある。1.(マル1)は、「〜変化するであろうか」と文末が疑問になっているので、問題提示の文であって、中心文ではない。2.(マル2)は、1.(マル1)の問題提示に対する答えに相当するからより中心文に近いが、筆者の予想ということ


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