福島県教育センター所報ふくしま No.46(S55/1980.6) -011/038page
たい積当時,北東から南西の方向の流れが推定される。
3) プル・アパート
2) スランプ構造(層内しゅう曲)
地層がグニャーと曲っているが,その上と下の地層は水平地層でうねっていない。不思議な地層である。
このような構造はスランピング(層内しゅう曲)と呼ばれて拾り,湖底や海底の傾斜面にたい積した泥が,まだ固まらないうちに動かされ(小規模な地すべり)たため,泥層がうねってできた模様である。このようなスランピングの見られる地層の多くは粘土層に多い。
層理面に沿って,泥岩のブロックが,ダンゴの串さしのようにちぎれて所々に並んで入っている構造をプルアパートという。
この構造は,湖底や海底に積もった泥が,固まらない間にすべり,ちぎれてブロックになったもので,また,水中の乱流の生ずる水底面でもできる。
4) サンド・パイプ
層理面に垂直に,直径1p,長さ1Opのパイプが見られる。これは,カニや貝の住んでいた穴が,後で砂などで埋められてできた模様で,これはサンド・パイプと呼ばれ,これは昔の生物の住んだ跡であるので生痕化石である。
5) クロスラミナ(斜交葉理)
砂岩層によく見られる模様で,斜めに波が交わり合っているような構造をしている。この模様を斜交葉理という。この葉理は三角州のように流路や水量がたえず変化する所にできやすい。
6) 不整合
傾斜している砂岩層やシルト層の上に,ほぼ水平にレキ層が重なっている。
このように,地層の重なり方が途中で不連続になっている場合を不整合といい,不整合ができるのは,地層がたい積している途中で地かく変動があって,たい積が中断されたことを意味している。