福島県教育センター所報ふくしま No.47(S55/1980.8) -006/034page
によるもの6%となっている。
(3)・(4)の日常着の入れ場所,出し入れについては, 入れ場所の決まっている児童が97%,自分で出し入 れする児童が80%,小物などの出し入れを含めれば, 91%となっている。自分の日常着の入れ場所を決め, その出し入れを自分で行う習慣がついているように 思われる。
(5)の衣服を着ていて困ったこととしては,ボタン とれや汚れなど手入れの悪いものが45%,朝昼の気 温の差21%,大きさがあわない18%,着方が悪い8 %,ポケットがない8%となっている。
児童の実態をふまえて適切な指導ができるようにしたいものである。
3 気温の変化と着方の工夫
季節や気温の変化に応じて衣服を選んで着たり,着ている衣服を調節したりすることができるようにさせたい。
「暖かい着方」に重点をおいて指導する場合は,同時に「涼しい着方」も対照的にとりあげて両方理解させるように配慮する。
(1)重ね着をすると暖かいわけを考えよう。
冬期間に女子の児童が着用している衣服の全厚 さと空気層の厚さを測定してみた結果は表1の通 りである。
被検者 N子 mm 衣服の全厚さ 19.0 シャツ
スリップ
ブラウス
セーター
ジャケット0.63
0.26
0.26
1.90
2.61衣服時の厚さ 計
衣服層の厚さ5.66
13.3着衣重量 1,701g 表1 衣服の全厚さと空気層の厚さの測定例
私たちが快適に感じるか らだとシャツの間の温度は 32℃ぐらいで,湿度は50% ぐらいである。
寒いときに,衣服を重ね着すると,衣服の各層のあいだに暖かな空気層が形づくられ,体温調節の作用を補っている。
表1の着方では,空気層 の厚さが13.3mmである。
衣服地間の最大保温カを 示す空気層の厚さは9〜15mmといわれており,それ より層の厚みが少ない場合も,より大きい場合も熱 をしゃ断する能力は小となる。衣服を重ねすぎても 放熱面積が大となり,保温上不利となる。重ね方の よし,あしが保温効果に影響のあることを理解させ, 併せて薄着の習慣をつけさせたい。不必要な重ね着 は,衣服の重さが増し,不活発であるばかりでなく, 鍛錬からいっても好ましくない。
1.衣服地の空気を含む割合(含気率)
空気は熱を伝えにくいので,空気を含む衣服を着ると暖かい。
被服材料の一定体積中の含気量の割合を測定し た結果は図1の通りである。
図1から分かるように,普通の衣服地では,含気 率が60%〜90%のものが多い。羊毛製品は概して含 気性にすぐれている。同じ繊維でも織り方を平織か らメリヤス織りに変えれば布地も厚くなり,含まれ る空気も多くなる。厚気の毛織物が暖かいわけに気 づかせる。また暖められた空気を逃さず,外からの 冷たい空気を侵入させないような衣服の形や衣服の 重ね方を考えさせる。
2.衣服地の空気を通す割合
暖められた空気を逃さないためには,外側に着る上着は通気度の少ないものがふさわしい。
フラジール通気度試験機(写真1)を用いて布