福島県教育センター所報ふくしま No.47(S55/1980.8) -016/034page

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特に話し合い活動は,よりよい考えを導き出し 深めていくために重要な役割をもっている。し たがって,話し合い活動を強化するために,次 の点を重視した指導を考える。

ア. 各段階に応じた話し合いのねらいを明確に おさえて指導する。  

イ. 話し合いの方法に変化をもたせながら,話 し合いのしかたを次第に身につけていくよう にする。  

ウ. グループ学習になれさせるとともに,友だ ちの発言を大事にさせる。

3. 推論

 「既知の事実や知識を前提として新しい事実や知識を結論として導いていくこと」であり,その方法には,帰納や類推によるものと演えきによるものとがあるが,本研究では帰納と類准によるものを考えている。

(2)仮 鋭

 単元「酸素と二酸化炭素」の指導では,考察の段階でモデル化をとり入れグループによる討議を強化すれば,物の質的変化について推論する力を伸ばすことができるであろう。

3 計   画

(1)方法  一群法による 

(2)対象  5年2組 30名(男15名 女15名) 

(3)組織  個人研究 

(4)日程

1. 事前研究の段階(6月〜7月)

ア. 研究計画の樹立(6月)  

イ. 実態調査(6月〜7月)  

ウ. 研究主題の決定(7月)  

エ. 文献研究(7月)  

オ. 仮説の設定(7月)

2. 検証の段階(8月〜10月)

ア. 教材研究と指導計画の作成  

イ. 事前テストの実施(9月)  

ウ. 検証授業(9月)  

エ. 事後テストの実施(9月)  

オ. は持テストの実施(10月)

3. 整理の段楷(11月)

ア. データーの処理(11月)  

イ. 結果の分析(11月)  

ウ. 研究のまとめと反省(11月)  

エ. 研究報告書の作成(11月)

4 概要と考察

(1) 研究の経過

1. モデルで考えを深める指導

 モデルにより自然現象を考え,説明する能力を身につけるには,

ア. モデルの必要性に気づくこと。  

イ. モデルを考えだすこと。  

ウ. モデルによって関係を明らかにすること。  

エ. モデルから新しい予想(仮説)を導くこと。  

オ. モデルの妥当性を吟味し,評価すること。  

カ. モデルを修正し,深めること。

  が大切であり,日常の理科学習で意図的に機会をとらえて指導する。

2. 指導過程の段階

ア. 指導過程の各段階での話し合いのねらいを次のように設定した。

段階 話し合いのねらい 方法
課題は握
  • 課題を見つけるために話し合う。
  • 課題を共通化するために話し合う。 
自由バス
予想
  • 別な見方,考え方がないかどうか話し合う。 
  • よりよい予想をねりあげるために話し合う。 
席順バス
自由バス
実験観察
  • 課題を解決する手順や方法について話し合う。
  • 実験観察の操作を理解するために話し合う。
自由バス
考察
  • 実験観察の結果を確認するために話し合う。 
  • 実験結果の妥当性について話し合う。 
  • 実験観察の結果から考えられること やわかったことについて話し合う。 
  • 予想(仮説)が正しかったかどうか話し合う。 
席順バス
自由バス
対人バス
まとめ
適用
  • 学習したことの整理をするために話し合う。 
  • 一般化をはかるために話し合う。 
  • 学習したことを適用,発展化するために話し合う。 
  • 残された問題を確認するために話し合う。
対人バス
自由バス

イ. 話し合いの方法と訓練

話し合い学習を活発にするために,次の方 法を重点的に訓練する。


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