福島県教育センター所報ふくしま No.48(S55/1980.10) -003/034page

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くことを確かめようとするものである。

サイコロ実験(教科書A社)
サイコロ実験(教科書A社)

ほとんどの教科書がこの方法である。

 これに対して,大数の弱法則を理論的背景とする 実験結果のグラフ化とは,各社がサイコロを同じ回 数だけ投げて,それぞれ1の目が出た相対度数を求 めて書き,相対度数の上下の幅(範囲)をみてゆき, 回数が多くなるにつれて相対度数の上下の幅(範囲) が狭くなり,やがて各班の相対度数がある値に近づ いてゆくことを確かめようとするものである。これ を根拠とするまとめ方をしている教科書は1社ある。

実験回数40回 実験回数400回

実験回数800回

  ここで,参考までに,大数の強法則と弱法則につ いてまとめておく。

大数の強法則 数式
大数の弱法則 数式

 3.実験とその結果

(1)2枚の硬貨投げ(100円と10円)の実験 (同様に確からしい場合の実験)

 生徒は,10円の硬貨2枚を投げると,数学的確率 を1/3 と答えることが多い。それは,おこりうるすべ ての結果は,表表,表裏,裏表,裏裏の4通りと考 えなければならないが,表裏と裏表の区別がつかな いため,おこりうるすペての結果を裏表,表裏,裏裏の3通りと考え,それぞれのおこる確率は1/3 とし てしまいがちである。このようなことにならないこ とを理くつからはもちろんであるが身をもって体験 させるために,100円硬貨と10円硬貨の2種類の硬 貸を使って実験することにした。投げ方は,両手の 中で2枚の硬貨をよくまぜて菓子箱のふたの中に落 とすようにした。その結果は次の表2のようになっ た。

表2 2枚の硬貨投げ(100円と10円)の実験結果(S56.8.6)

目の出かた

表・表 表・裏 裏・表 裏・裏
回数
50 9 20 6 15
0.180 0.400 0.120 0.300
100 22 31 19 28
0.220 0.310 0.190 0.280
150 39 45 26 40
0.260 0.300 0.173 0.267
200 50 60 40 50
0.236 0.316 0.208 0.240
250 69 90 70 71
0.230 0.300 0.233 0.240
300 79 97 86 88
0.226 0.277 0.246 0.251
350 88 97 86 88
0.220 0.258 0.265 0.258
400 88 103 106 103
0.220 0.258 0.265 0.258
450 99 110 120 121
0.220 0.244 0.267 0.269
500 111 122 134 133
0.222 0.244 0.268 0.266
550 121 129 152 148
0.220 0.235 0.276 0.269

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