福島県教育センター所報ふくしま No.48(S55/1980.10) -008/034page

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 -6.指導上の留意点

 3.三味線音楽〜語りもの〜について

 音楽IIでは,文学とのかかわりのある「語りもの」 をとりあげることになっているので,ここでは,具 体的な指導の展開を見てみることにする。

 次の指導案や鑑賞ノートの抜捽(すい)でわかるように, 語りものの真髄に迫らせるには,内容を精選し,教 育機器を充分に活用し,歌詞や説明を明示すること は勿論のこと,要点をまとめさせ,記録させ,簡単 な感想を書かせることが重要なことであり,教師は 参考文献,資料の収集,スライド・TPの作成,VTRの収録等,つねに周囲に目を配り,それぞれの 学校で,個々の生徒の能力に合った指導計画を作成 し,日本の音楽を積極的に授業にとり入れて欲しい。

指 導 案

芸 術 家 (音楽)    教諭  懸 田 弘 訓
題材名 ・文芸人形浄瑠璃「艶容女舞衣」 酒屋の段
題材設定の理由 ・人形浄瑠璃は歌舞伎と並んで,日本の庶民芸能の二つの柱である。 その中でも世話物の代表作といわれるこの作品をとりあげ,人形浄瑠璃独特の型や演出法を知ると共に、音楽としての特質を理解させたい。
目標 1.人形浄瑠璃の成立過程との背景について理解させ,その構成や演出法について知らせる。

2.語り物的性格のことに強い浄瑠璃の音楽的な特質を理解させ,その美しさを味わわせる。

指導過程 ・人形浄瑠璃の成立とその構成 1時間(本時)
・「艶容女舞衣」の鑑賞
・音楽としての浄瑠璃とその特質 1時間
本時の主眼 ・人形浄瑠璃の成立過程を理解し、「艶容女舞衣」を鑑賞して,その構成や劇的な表現法に関心をもたせる。
資料 ・教科書・鑑賞ノート・スライド(*自作)VTR(*TVより録画したもの)

本時の指導過程

  指導内容 学習活動 時間 指導上の留意点 備考
導入 庶民の芸能としての人形劇 身近にある人形芝居について話し合う 5′ ・かつて人形芝居は,もっとも身近な娯楽であったことに気づかせる VTR
スライド
展開 人形浄瑠璃の成立 人形浄瑠璃の成立について学ぶ 5′ ・歴史的・文化的な背景を重視する。 スライド
鑑賞 「艶容女舞衣」を鑑賞し,その構成や演出法を知る。 25′ ・ストーリーを話す
・人形遣いの役割に留意させる
・人形と浄瑠璃とのかかわり合いに注意させる。
・太夫の語り分けと表現法に留意させる。
VTR
整理 感想を聞く 感想を述べ合う 10′ ・ストーリーだけにこだわらず,人形浄瑠璃全般にふれる  
次事の予告   5′    

鑑賞ノート
鑑賞ノート

【参考文献】


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