福島県教育センター所報ふくしま No.48(S55/1980.10) -010/034page

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 まで煮て, おひたし の状態にする。

 -2. おひたし になった葉が冷えてから,葉をシャ ーレの中にひろげ,ヨウ素ヨウ化カリウム液を 加えて,呈色の様子を見る。

  この方法では,呈色反応が出るまで少し時間が かかる。指先などで, おひたし の葉を押して,ヨ ウ素ヨウ化カリウム液がしみこむのを補助してや ることも必要である。

  呈色反応が,植物の種類やヨウ素ヨウ化カリウム液の濃度によって差があることもある。

  4学年ぐらいの児童にとって,緑葉から葉緑素をアルコールなどで除いていこうといった考え方は、あまり出てこないのではないかと思われる。

  児童は、 いも のでんぷんを用いて,ヨウ素でん ぷん反応を既習していることから,緑葉に直接に ヨウ素ヨウ化カリウム液を加えてみよう,という 考え方の方が,割と出やすいのではないかと思わ れる。

  (実験3) たたきぞめで調べる方法

-1.よく日光の当たった葉をとり,軟らかくなるまで煮て, おひたし の状態にする。 煮る時間は,採取した植物の葉の厚さやかたさで差がある。


-2. おひたし になった葉をとり出し,2枚の ろ紙 の間にはさみ,下にゴム板をしく。 ろ紙 の上に やわらかい布( さらし など)をおき,上から木槌でまんべんなく強くたたいてやる。


-3. ろ紙 から葉をはがしとり,ヨウ素ヨウ化カリウム液を入れたシャーレの中にろ紙をひたす。 ろ紙 にしみこんだでんぷんが青色の呈色反応を 示す。


-4. ろ紙 をとり出し,さっと水洗いする。このまま乾操させて,児童のノートなどにはらせるのもよい。

 この方法では, ろ紙 のような試薬などに反応しな い紙を用いるとよいし,材料として用いる植物はク ローバーなどでもよい結果が得られるが,どちらか というと,比較的葉肉の厚い葉の方がよいようであ る。

 ヨウ素ヨウ化カリウム液の濃度によっても、呈色 反応に差が出てくるし,また木槌で強くたたきすぎ て,葉肉が ろ紙 についていたりすることもあるので 注意したい。

 実験1〜3について,いろいろな植物の葉で調べ たものを次表に示しておく。いずれも晴天の日の, 午前11時頃に採取したものを用いた結果である。

実験1〜3

  すりつぶし法(呈 色) おひたし法 たたきぞめ法(反 応)
ダリヤ 赤紫〜茶 青 + ++
オシロイバナ 赤紫 青 + ++
アカザ 青 ++ +++
クワ 粘性強くろ紙通りにくい 青 +++ +++
キク 茶 + ++
ハイビスカス 青紫+++ +++
タンポポ 赤紫 青紫+++ ++
ジャガイモ 赤紫〜茶 青紫+++ +++
ハギ
イヌビユ 青 + ++

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