福島県教育センター所報ふくしま No.48(S55/1980.10) -023/034page
- 学校経営の全領域にわたって総合的に,又は均等にとらえようとする経営評価
-2.経営評価の方法(基準や尺度などの形式)でとらえた類型
- 評価基準(他の機関作成のものを自校化・自校独自)による経営評価
- 評価領域を設け,その範囲内で文章記述又は話合い等による評価
-3.経営評価計画・基準等の原案作成から,校長決定に至る過程でとらえた類型
- ライン尊重による管理職立案型
- スタッフ尊重による委員会立案型
- 全職員が何らかの形で原案作成に参加す
全職員立案型
当プロジェクトは,以上の経過をたどって,学校 経営評価のための基盤作りをすすめてきたが,この 間特に,研究協力校を中心に実施した学校経営の現 状(実態)に関する調査の結果は,今後の経営評価 研究の全分野において方向性を示唆するものと見て, その要点を18項目にまとめた。以上が,初年度を中 心にすすめてきた研究の経過である。
続いて,そのあとの経過について述べたい。
前述の要点18項目では,学校経営評価試案作成上 の基本的な事項をそれぞれ単独に,又は要点相互間 に包摂して示されているので,これを分類・整理し, 経営評価試案作成のそれぞれの過程における重要な 判断の資料として活用することにした。中でも,要 点17および要点18は,試案自体を性格づける重要事 項と定め,この2つを主軸とした研究をすすめた。
研究の推進にあたっては,主要項目および関連項 目を次のように設け,同時に,要点が示す考慮事項 をそれぞれ特質に応じて配置して,個々の解明事項 の特定と研究全体にわたる調和をはかるための判断 の素材とした。(なお,各要点の詳細は,教育センタ ー紀要36号を参照されたい。)
(1)学校経営評価の基本的構想の設定
-1.経営評価のねらい設定
教育目標の具現にかかわる到達状況の評価を、学校経営評価実施のねらいとしている。 (要点2) 学校経営評価のねらいには,経営組織と機能の発揮への期待がある。 (要点3) -2.学校経営評価の領域
学校経営評価の領域区分は多様で,その内容も複雑,多岐にわたっている (要点7) (2)学校経営評価の実施方法案の設定
-1.経営評価のための組織
学校経営評価計画の審議・検討の過程は多様であるが,計画作成の方式は3つに類型化できる。 (要点4) -2.経営評価実施の手順
学校規模,職員組織の実態によって,学校経営評価計画の設定手順が異なる。 (要点5) 職員会の審議にかかる過程で,委員会等の調整・検討を行っている。 (要点6) 学校経営評価の効果を高めるためには,教職員の学校経営評価についての理解が必要である。 (要点16) 学校経営評価は,基礎評価と総括評価から行われ,職員は両者に参加している。 (要点11) -3.経営評価実施の時期
評価委員会等の総括評価前における評価活動がある場合の総括評価(年度末評価)は11月より始まる。 (要点14) 学校経営評価の評価活動は,年間を通じて行われる。 (要点15) (3)評価基準・尺度・評価用具試案の作成
学校経営評価の方法は,評価基準設定によるか,文章記述式か,両者の併用で実施されている。 (要点9) 評価基準あるいは評定尺度の設定と評価(評定)の客観化には不安材料を含んでいる。 (要点10)
自校化できる学校経営評価の基本構想又は,原型としての評価試案が要望されている。 (要点17) 学校経営評価のための客観性のある評定尺度の開発が要望されている。 (要点18) 上記(1)〜(3)の過程を通し,経営評価の実施に関す る基本的な事項がまとまったところで,その適合