福島県教育センター所報ふくしま No.49(S55/1980.12) -013/034page
〈研究報告〉 昭和54年度 学校経営(B)講座
継続研究を推進するための校内研修のあり方
白河市立白河第二小学校教諭 小林俊夫
1.研究の趣旨
本校では、昭和42年度に県教委より"学力推進研究校"として指定をうけて以来,本年度まで13年間にわたり,「教科の本質に基づき,児童の主体的学習態度を育てるためには,授業をどのように改善したらよいか。」という同一主題のもとに,国語,社会,算数,理科の4教科について研究を継続し推進してきた。
しかし、教員数40数名という大世帯では,毎年10名前後の異動があり,職員組織上からの研究メンバーの変更等で組織上の問題点が出てくる。
また,それ以外に個々の教師の考え方,研究意欲の差異、主題に対する共通理解等,ひとつの教育研究の集団として,研修意欲を高めつつ共通の目的意識のもとに,主題にせまる共同での継統研究の推進には,困難を感ずると共にいくつかの問題点が指摘される。
◆ 昨年度末の反省から
等いくつかの問題点があげられ,継続研究推進に対する提言がなされた。
(1) 研究主題,研究推進計画、研究方法及び内容等について,ひとりひとりの理解が不十分なた め,全員による共通理解という点で問題があった。 (2) 同一主題による継続研究ということで,マンネリ化に陥り易い。 (3) 研究のすすめ方として,今後何年か先を見通した研究計画がほしい。 そこで,上記の問題点について,その要因を調査分析し,結果を考察することにより対策を講じ,研究実践をすすめれば,更に充実した校内研修ができ継続研究としてより一層の効果が得られるのではないかと考え,この主題を設定した。
2.見通し
校内研修として,継続研究をすすめるに当たり,次の点について改善を加え,全員が意欲的に参加し,より確かな共通理解のもとに研究をすすめれば,よりよい成果が得られることを期待したい。
(1) 学校の課題研究を推進するに当たり,教師の意識調査をし,共通理解を阻害している要因を 明らかにし,改善の手だてを図る。 (2) 研究組織を改善し,効果的な運営を工夫する。 (3) 研究の方法として,主題に対しての"仮説""検証"等をより具体的にする。 3.研究の方法と対策
(1) 研究の方法
[1] 校内研修についての文献研究
[2] 研究推進に対する意識調査
[3] 実態の分析及び問題点の整理・考察
[4] 改善策の樹立
[5] 改善策の実施及び考察
[6] まとめ(2) 研究の手順
[1] 現状分析と研究構想の樹立……………6月
[2] 文献研究…………………………………6月
[3] 第1次調査の実施と分析……………7〜8月
ア.研究推進の意識調査
イ.改善策としての意見調査
[4] 改善策の立案及び実施……………9〜10月
[5] 第2次調査の実施及び考察……………11月
ア.改善後の変容調査及び考察
[6] 研究のまとめ……………………………12月(3) 調査職員
本校職員35名(男19名,女16名)
〔校長,教頭,事務職員等は,除く〕4.研究の結果と考察