福島県教育センター所報ふくしま No.49(S55/1980.12) -017/034page

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〈本年度研究推進の全体反省〉

本年度研究推進の全体反省として,各部会,推進委員会等で出された意見を要約すると

ア.研究組織について


組織上特に問題はない。

要望として,推進委員会に現在の教科1名を2名とし,主任,副主任としてはどうか,ということである。

イ.研究のすすめ方について


全体授業研究は,各段階の先導的役割という点を考慮すれば,各段階の初めに行っては どうだろうか。

研究内容を3段階に区切って,それぞれに検証仮説をたてて研究をすすめてきたが,三 つの検証仮説を一つずつ検証するのでなく,同時に三つの検証を継続して研究し,まとめ るようにしてはどうだろうか。

研究をすすめるのに過密にならないよう,時間的余裕がほしい。

(4) 第2次調査のまとめ

本年度の研究推進は,以前に比べ数多くの点で改善が加えられ,共同研究としての成果があったことと思われる。
特に成果のあった点として考えられることは,

ア.研究推進委員会が,常に研究の方向づけをしてきた。

イ.研修を充実したものとして,研修日の確保を教育課程に位置づけた。

ウ.その他,研修効果を上げるのに欠かせない要因として


主任の教育観,指導力,人がら等が大きく左右する。

最も重要なことは,校内における人間関係ではなかろうか。これを無視して研修の 効果は,期待できないであろう。

すべての会合の運営について言えることだが,やはり"司会者"の存在を無視する ことはできない。司会者は,研究内容について十分知っていて,更に造けいの深さ, 話術の巧みさ等が要求されそうだ。

共同研究における共通理解,意欲の高まりは,参加個人個人の意見の総和で高まっ ていくものと思われる。

5.今後の間題点

今回の調査及び考察については,十分吟味されたものでなく,追究の甘さ,整理上の問題点等,不備な面が多く,主題に添ったまとめができなかった。

ただ,継続研究としての校内研修のすすめ方における,内蔵されているいくつかの問題点が出され,内容が副次的要素を含んでいて,なかなか核心にふれることができなかったものの,問題点となるものを知ることができたのは,何よりの収穫であった。

今後の課題として,次の点について更に研究を深めていきたい。


(1) 研究体制として組織の再検討

隣接学年との交流を考え,ブロック研究を取り入れたい。
(2) 新教育課程実施に伴い,研究内容の再検討
(3) 継続研究をすすめるのに耐えられる仮説及び検証方法の研究

最後に,校内における職員の融和,明るい職員室づくり,温かい人間関係に支えられた校内研修をすすめ,子どもに自己評価を求めると同様に,教師自身も自己評価をし,なお一層の研さんに努め,校内研究の灯を絶やすことなく,継続されるように努めたい。

6.参考文献

○研修のすすめ方………県教育庁義務教育課編
○現場のための教育研究法…………新光閣書店
○教育研究のための調査票の設計と事例
                ………………ぎょうせい
○学校経営に関する研究(S.53)……県教育センター
○教育研究の実践……………………県教育センター


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