福島県教育センター所報ふくしま No.49(S55/1980.12) -018/034page
〈研究報告〉昭和54年度学校経営(B)講座
小規模校における研究推進の一方策
北塩原村立裏磐梯中学校教諭 竹野 博文
1.研究の趣旨
本校は,山間へき地の小規模校で職員数も少ないが,何でも自由に話しあえるよさがある。この本校の特質を生かし研修活動を充実すれば,互いに切磋琢磨し,なごやかさにも厳しさのある研修となり,教師としての専門的な資質を高め,ともに協力しあって教育目標の達成がはかられるものと思われる。
なお,本校では昭和51年,村教委の研究指定を受け「少人数学級における学習指導の研究」をテーマとして,継続研究をすすめてきたが,研究の反省として次のような問題が指摘された。
(1) 人数が少なく,研究を深めることが困難である。 (2) 研究主題が広すぎて,どこから切りこんでいったらよいかわからない。 (3) 研究内容や方法がよくわからない。 これらの問題を解決するために,校内共同研究の内容と方法を明らかにし,研修のための時間を十分とり,全員が積極的に意欲的にとり組めるように改善すれば,小規模校,少人数でも充実した共同研究ができるものと考え,この主題を設定した。
2.見とおし
校内共同研究をすすめるにあたって,研究主題や授業研究についての問題点を集約し,問題解決をはかるように改善すれば,全職員の問題意識や必要感に支えられたものとなり,充実した共同研究になるであろう。
3.研究の方法と対象
(1) 研究の方法
[1] 共同研究のすすめかたについての文献研究
ア 研修のありかた
イ 授業分析研究のすすめかた
[2] 共同研究に対する意識調査
[3] 改善策の立案と実践
[4] 共同研究に対する意識についての変容調査(2) 研究の対象
[1] 本校職員7名(執筆者をのぞく)
[2] 職員の本校在職年数
3年目 2年目 1年目 3 3 1
[3]本校職員の年代別構成
\ 年代 性別 \ 50代 40代 30代 20代 男 1 1 1 1 女
1 2 計 1 1 2 3 (3) 研究の手順
[1] 研究構想の策定 5,6月 [2] 文献研究 6,7月 [3] 第1次調査の実施と分析 7,8月 [4] 改善策による実践 9〜10月 [5] 第2次調査の実践と考察 結果のまとめ 12月 4.研究の概要と考察
本年度の共同研究計画は,4月の職員会に提案し原案どおり承認されたが,日が経つにつれ,真に生徒の実態をふまえているか,全職員に共通する課題となっているか等の疑問や意見が,ふだんの話の中にだされるようになった。本校に赴任して間もない時期でもあり,係として困惑したが小規模校のよさを生かし,研究主題を思い切って変えた改善案を6月の研究協議会に提案したところ,ようやく賛同の意見が得られた。
第1次調査は,共同研究に対する意識や,授業研