福島県教育センター所報ふくしま No.49(S55/1980.12) -019/034page
究に対する問題点を的確にとらえ,今後の共同研究をより充実させるための資料とするために行ったものである。
(1) 第1次調査の結果の考察
研究主題や授業研究について21項目のアンケート調査である。しかし紙面の都合上,5項目取り上げ述べることにした。
(調査月日 8/21,欄中の数字は人数)
調査1 あなたは,研究主題を設定して共同で研究することの意義を認めますか。
ア 認める。
7 イ 認めない。
0 ウ わからない。
0 考察
全員が共同研究の意義を認めていることは,研究に対する意欲や関心が極めて高いことを示している。単に表面的,形式的な研究に終始しないで,日ごろの実践と結びついた共同研究であって欲しいという願いもくみとれる。
調査2 本年度の研究主題が年度当初から,変わったことについてどう考えますか。
ア 現実的課題に迫るものになった。
7 イ 現実的課題から遊離するものになった。
0 ウ どちらとも言えない
0 エ 係のための研究テーマとしか思えない。
0 考察
年度中途で研究主題を変更すれば,混乱して収拾がつかなくなるのがふつうである。本校のような小規模校では,反対に作用して全職員の共通の課題となり,多少日時を費やしたものの共通理解の上にたっての研究が可能になったことを示している。
調査3 本年度の共同研究についてどう思いますか。
ア 極めて満足している。
1 イ ー応満足している。
6 ウ 不満である。
0 エ どちらとも言えない。
0 考察
結果は,予想されたとおりである。係の積極的な姿勢が評価されたものと思われる。
調査4 あなたは,今まで研究協議会に提案された内容についてどの程度理解していますか。
ア よくわかった。
2 イ おおよそわかった。
5 ウ 半分程度しか理解できない。
0 エ 理解できない。
0 考察
内容の理解度となると,やはり問題がある。係からみても難解な用語が時々使われていたようにも思われる。また,意見の交換も少ない。
調査5 従来の授業研究で問題があると思われたことを次から選んで下さい。
ア 事前,事後の研究時間の不足。
5 イ 共通の立場に立っての研修が困難。
4 ウ 表面的な事象のみ意見が集中。
4 エ 種み重ねがなく断片的。
3 オ 主題との結びつき,観察の視点不明りょう
2 カ 理論と実践がかみ合わない。
1 キ 授業の上手,下手の批判になりやすい。
1 考察
問題点として指摘された事項は,小規模校に共通する課題である。わずか7名で9教科を担当している現状では,教科部会を編成することは不可能である。教科の枠を越えて,深まりのある授業研究をすすめることが必要である。(2) 第1次調査のまとめと改善策
[1] 第1次調査のまとめ
ア 研究主題については,共通理解が得られたものと考えてよい。研究主題,副主題の解説については,難解な語句をさけもっとすっきりした文章に改める必要がある。
イ 授業研究の時間を確保する。
ウ 授業研究は,研究テーマとの関連から授業観察の視点を明確にし,全員が共通の立 場に立って深まりのある研究ができるようにする。 [2] 改善策の樹立
ア 授業研究の時間の確保について
○ 授業研究の回数を年6回から年3回に減らし,事前,事後の研究会に十分な時 間をとる。