福島県教育センター所報ふくしま No.49(S55/1980.12) -026/034page
より基礎的・基本的な内容に精選された学習指導要領の目標や内容にそって,教科書教材中心に,目標,内容を構造的にとらえ,重点をおくべき目標・内容を明確にしたい。また,単元や題材内容を構造化し,中心となる概念や基本要素を明らかにするとともに,関連系統などもとらえ,単元や題材内容のしくみをとらえる。さらに,個々の教材学習を通して求めるべき人格の資質や諸能力との関係を吟味するため,学力観を設定し,教材の目標分析による目標行動を明らかにし,指導の重点をとらえ,基礎的・基本的事項をおさえていきたい。
3.対策
各教科の目標や内容を構造的にとらえ,指導の重点を明確にすれば,基礎的・基本的事項はおさえられ生きた学力を身につけさせることができる。
(1) 学習指導要領や教科書教材の目標,内容を構造的にとらえ,重点をおくべき目標・内容を明らかにする。
(2) 学力観の設定や目標の具体化をはかり,教材の構造と指導の重点を明らかにし,基礎的・基本的事項をおさえる。
(3) 教材の提示の仕方や小集団学習の場の位置づけを適切にし,学習の目標行動にそったたしかめの機能を生かすことにより,ひとりひとりを生かす学習を展開する。
4.研究計画
(2) 3年間の計画の概要
○1年次(昭52)
○2年次(昭53)
「基礎的・基本的事項」の概念規定を中心に,そのおさえ方や各教科の研究の方向をさぐる。主として理論研究の段階である。 ○3年次(昭54)
研究の方向が十分に定まらないながらも,検証授業のすすめ方に関する講話や3回の検証授業を組んでの授業を中心とした実践研究の段階である。
テーマにせまる一応の手だてを見いだしての教材の精選と指導の重点をおさえることに主眼をおいた。授業設計やその実践としての授業研究など,言わば理論の実践化をはかる研究のまとめの段階である。 (3) 各教科研究副主題
教科 研究副主題 国語 豊かな言語能力を育てるための基礎的・基本的事項をおさえた学習指導 社会 自ら考え的確な判断ができる社会科指導 数学 基礎的な概念や原理・法則の理解を深める指導 理科 理科における基礎的・基本的事項の指導 音楽 音楽美に感動する心を育てる学習指導 美術 たしかな表現力をつける指導 保体 生徒が進んで運動の合理的実践にとり組む体育指導 技術家庭 製作学習において技術的能力をたしかにし,実践力を身につける指導 英語 基礎的・基本的事項をおさえた言語活動の指導 5.研究の概要
(1) 新学習指導要領の趣旨の受けとめ方
改善の基本方針
1. 道徳教育や体育を一層重視し,知・徳・体の調和のとれた 人間性豊かな生徒 の育成を図ること。 2. 各教科の 基礎的・基本的事項 を確実に身につけられるように教育内容を精選し, 創造的能 力 の育成を図ること。 3. ゆとりある充実した学校生活 を実現するために,各教科の標準授業時数を削減し,地域や