福島県教育センター所報ふくしま No.50(S56/1981.2) -020/042page

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〈研究報告〉昭和54年度 学校経営(A)講座

教職員の研修意欲を向上させるための一方策

安達郡岩代町立小浜中学校教頭  戸田 英一

1.主題設定の趣旨

53年度末学校経営反省協議会で現職教育推進上の問題点が次のようにだされた

(1)校務量の増大と複雑化,持ち込み行事等による時間的余裕の不足。
(2)研究図書等の資料,適切な指導者による指導の機会,研修会参加の機会等の不足。
(3)教科部会の組織の弱さ,リーダーの人材不足。
(4)研修計画に具体性の欠乏,等々。

以上は,校長,教頭の配慮により,条件整備や解決に可能な面もある。しかし,私の日常観察や職員の対話のなかで強く感じてならないものに"研修意欲"の問題があることをみのがすことはできない。そこで私自身の課題として

(1) 研修を阻害している要因はなにかについて,まずその実態を調査してみること。
(2) 阻害する要因を克服していく手立てとして,どのようなことが考えられるか,調査のうえ,その 試案をつくってみること。
(3) 試案を実際にいかすくふうをしてみること。
などが考えられた。

2.見とおし

研修意欲を阻害している要因について,それを調査分析し,改善解決策を講じながら,現職教育を推進していけば,職員の研修意欲は高まるであろう。

3.研究の方法と対象

(1) 研究の方法


[1] 校内の現職教育推進上の諸問題について分析する。
[2] [1]の諸問題について,地区内中学校職員の意見を集約してみる。
[3] [1],[2]について考察する。
[4] 問題の改善解決策について,校内,地区内中学校職員の意見を集約してみる。
[5] 研修意欲の向上につながる試案をたてる。
[6] 試案を実施するくふうと実施の効果をたしかめる。

(2) 研究の対象
 [1] 本校職員18名(男子12,女子6)
 [2] 協力校地区内中学校 13校

4.研究の手順

 (1) 研究構想の策定 5月
 (2) 実態調査の実施とその集約(要因) 6月
 (3) 実態調査の考察 7月
 (4) 実態調査の実施とその集約(改善策)  9月
 (5) 実態調査の考察 10月
 (6) 研修意欲向上の試案作成 10月
 (7) 試案の実施 11月

5.研究の結果と考察

(1) 研究の結果と考察(その1)

[1] 本校現職教育推進上の問題点(実施アンケ―トの項目,内容)
   I 研修計画,内容について
1. 研修計画,内容が概略的で,具体性に乏しい。
2. 研修計画の樹立にあたっては,一部の機関に委ねられ全職員による参画がみられない。
3. 教育目標との関連がうすく,研修内容が一般的になりやすい。
4. 研究主題のもつ内容のとらえかたについて,共通理解がなされていない。
5. 教科研究も市販の指導書から脱しきれない傾向がある。
6. 校外研修の成果が,校内研修に生かされない傾向がある。
7. その他

   II 研修のすすめかたについて
1. 研究の手順,方法が理解されないため,能率的な研究が進められない傾向がある。
2. 研究資料の不足,活用の仕方に問題がある。
3. 教科部会の組織が弱く,相互研修の機会が少ない。
4. 研究推進のためのリーダーシップが不足している。
5. 適切な指導者による指導の機会が不足している。
6. 先進校視察や研修会参加の機会が不足している。
7. 研修への経費のうらづけが乏しい。
8. その他


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