福島県教育センター所報ふくしま No.50(S56/1981.2) -022/042page

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みられる」,「係まかせの傾向がある」,「年齢,性別,経験から認識に多様化がみられる」が強い。このことは研究のための諸条件が,かりに整備されたとしても,はたして意欲ある研究推進に直結するものかどうかの疑問をなげかけている。研修に対する考え方,とりくむ心構えについて抜本的な転換がせまられているものと考察する。

[4] アンケートの結果(本校職員/8名)


総回答数
1  2  3 4 5 6 7 8
I  1 






2






3






4






5







6






II 1






2






3






4






5







6





7






III 1






2






3






4






 IV  1






2






3






4






5






[5] 結果の考察

本校職員の場合も阻害要因の指摘は,郡下中学校各教職員のそれとほぼ一致している。そのうち研修意識について,「研修目的,必要性の認識の格差」が最も多く,「年齢,性別,経験からの認識の多様化」,「係まかせ主義の傾向」の指摘も強いところに着目しなければならない。研修活動は他からの命令や受身的態度のなかでは存在しない。ひとりひとりの教師が意欲的に研修に対して必要感をいだいたときにのみ存在する。そのためには「研修はしなければならないものだ」ということを気づかせるきっかけをつくらなければならない。そしてそのきっかけは偶然にくるものではなく計画的につくるものである。

研修時間の確保,研修費の確保,研修の企画推進にあたるリーダーの養成,研修組織の確立と運営の民主化,個人研究の奨励化,研修計画方法の明確化,そして研究をもりあげる人間関係の醸成などいろいろあげられるが,これらは相互に関連しあっている。しかし,それらの要因をすべていっせいに改善解決をはかるということは困難である。研修をはばむものとして,私はまず研修意識の問題をとりあげてみたい。そしてそれの改善策(むずかしいが)を講じる方策を試案し実践してみたいと考えている。

(2) 研究の結果と考察(その2)

[1] 改善,解決策(協力校13校)

I 研修計画・内容
1. 研究委員会で原案を作成し,全体会で審議し,教科部会で具体案を作成,全体会で共通理解をはかる。(教頭)
2. 各教科共通テーマによる研究は形式的で深まりがない。各教科独自のテーマ設定のなかで部会研究とすべきである。(教務)
3. 総花的,多目的テーマ,内容等はさけて,現場に密着したテーマを設定,解決可能な計画内容としたい。(一般)
II 研修のすすめかた
1. 研究主任等リーダーの研修がのぞまれる。(教務,現教)
2. 教科部会全体研修会を週程のなかに位置づける。(教頭)
3. 研究主任に余裕をもって研究推進の仕事ができるような校務上の配慮が必要である。(現教)
4. 対外的メンツに傾注した管理職の考えかたからぬけだし,実践的研究に重点をおくすすめかたとしたい。(一般)
5. 小規模校の場合,校長,教頭,研究主任等が,全教科の指導に精通していることが大切である。(教務,一般)
III 研修時期
1. 年間教育カレンダーのなかに研修時間を位置づけ最優先的に実施する。(教頭,現教,一般)
2. 1学期の研修態勢づくりの期間に,中体連大会をはじめ内外の行事が多すぎる。行事の精選をはかるべきである。(教頭)
3. 臨時時程を組むなり,授業カットによる研修時間の確保をする。(一般)
4. 新教育課程実施にともなう時間的ゆとりをうまく活用することをくふうすること。チャンスである。(教 務現教)

1. 研修を勤務そのものと考える傾向がある。研修は勤務時間の内外にかかわらず,自主的自発的性格をもつ ものであると同時に,教育公務員の義務であることの自覚を高めていく必要がある。(教頭,教務)


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