福島県教育センター所報ふくしま No.50(S56/1981.2) -023/042page

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IV 研修意識
2. 教師とはなにかの「教育論」から出発すべきである。(一般)
3. 当面解決しなければならない深刻な問題であるという意識を共通にもつ手立てを講じる必要がある。(教頭,教務)
4. 「やらなくともまにあう」という考え方をもつ教師を「ねばならぬ」という態度に切りかえていく必要が ある。(教務,現教)
5. 高齢化教職員の研修会を多くもち,しげきのなかで自覚をよみがえらせる手立てが必要である。(一般)

[2] 改善,解決策(本校職員16名)

I
1. 主題・内容等は現場の授業に直接役に立つ身近なものから設定されるべきである。
2. 共通理解の場をもっと設けて,納得のいく語し合いが必要である。
II
1. 教育の本質は変わらないとしても教育内容・方法等の新しい試みは,ぜひとり入れていきたい。
2. 教科のみならず,生徒指導,特別活動の領域もとりあげていきたい。
3. 先進校視察をすべきである。
4. リーダーの研修機会を教育委員会等で開催してもらいたい。
5. 養護教諭の研修会がほしい。
III
1. 本校は行事が多すぎる。もっと精選すべきである。
2. 研修会より部活動が優先されるといったやりかたは,ぜひ改めていくべきである。
3. 金曜日の会議の日を確保せよ。
 IV 
1. ぜひ「教師論」から出発すべきである。
2. 相互批判(せっさたくま)の気風に欠けている傾向がある。
3. 経験と慣れ,マンネリ化に甘んじている。一人一人の自覚を高めさせていく施策がほしい。
4. 管理職,リーダーの指導力を高めていくべきである。

[3] 改善策についての考察

協力校13校の教頭,教務主任,現職教育主任,一般教師の四者と本校職員16名がのべている改善策は,一般的,抽象的で具体性に乏しい点もみられるが(具体的に"なにをもって"改善をはかろうとしているのか),共通していえることは,

I 研修計画,内容については,手順をたしかにふんで,現場に即応した,そして各領域分野で解決可能な主題,計画,内容であること。

II 研修のすすめ方については,校長,教頭,研究主任等のリーダーの研修の機会を拡充してほしいと指導性の欠陥が指摘され,さらに理論研究より実践研究に重点をおくべきだと主張している。

III 研修時間については,行事の精選と研修時間の確定的位置づけとそれの優先確保。

IV 研修意欲については“教師とはなにか”を原点に立ちかえり見通すなかで,研修のもつ意義について自覚を高めていくこと。
などがあげられる。

研修と実践とは一体であり,日々の教育実践が研究内容を支えるものでなければならない。「研究のための研究」,「生徒不在の研究」等の反省に対し,リーダーによる適切な助言指導は必要であるし,研修時間そのものが,ほんとうに研修をはばむあい路としてはだかるならば,それの確保につとめてやるのが管理職の当然の立場でもある。しかし,なんといっても個々のモラールが根底に満ちるならば,それにより改善解決される阻害要因が多々あることを認識しなければならない。人は強制を反発する。だが自覚のよみがえりを施策なしには期待できない。必然的に自覚をうながすことのできる,そして実践に意欲をもやすことのできる具体策を現場に即して可能な限り試案化し実践してみることが,まずもって急務のことと考察する。

(3) 研修意欲を向上させるための試案

[1] 毎週金曜日の「会議の日」を第2週,第4週を「研修の日」に改め,それを優先的に確保していく。

[2] 授業研究会を新しい試み(形態,方法)をもって実施する。
○授業案に基づく授業の流れ ○発問 ○生徒の反応 ○選抜された生徒の反応 ○板書 ○機器利用 等について役割分担を明確にする。

[3] 教育公務員の職責についての再確認
○教育基本法 ○地方公務員法 ○教育公務員特例法 ○ユネスコ=ILO勧告

[4] 読書による啓発
「教育者の使命」 「教師とはなにか」等の教育論文をよみ感想論評を寄せあい,各自の啓発をはかってゆく。

[5] 指導上の悩み,問題点を出し合い,教師間の交流を深めるなかで研修への自覚を高めていく。

(4) 実施状況

[1] 試案[2]について


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