福島県教育センター所報ふくしま No.50(S56/1981.2) -026/042page
〈研究報告〉 昭和54年度 学校経営(A)講座
教職員のモラールを高める一方策
須賀川市立第三小学校教頭 平野 勝敏
1.研究の趣旨
学校経営は,その所属する教職員の意欲の高低とそれがどう協業して作用するかによるものであるといっても過言ではない。したがって,それら教職員のモラールの要因を明らかにし,その組織のあり方をさぐっていくことは,能率論的組織論とともに重要な課題である。本研究はこのことに関し,モラールを国研の調査方法により,また教職員の教育に対しての意識水準を高野氏の方法による調査の結果から,職場の一般的傾向として"モラール転換型"を示していることに着目し,これを高揚型に転ずるように,その不満要因をさぐり除去していくにはどうすればよいか,を追究しようとしたものである。
教職員のモラールは,職場の組織,非組織の両面における個々人の地位の尊重や自己主張のあり方等に関係し,それらはいわゆる人間関係的要因が大きく影響するものであることから,本研究においては,経営過程における教職員の自己関与のあり方及びそれらを規定するだろう組織・人間関係などにスポットをあてて追究していこうとしたものである。
2.研究の見とおし
モラールは社会心理学の側面からみた場合,個人の欲求の実現とそれを規制する社会組織のあり方にかかわるものであることから,学校運営において職員の自己関与度をいっそう高めるような組織に改善し,人間関係要因へ意識的に対応していくならば,教職員のモラールをよりいっそう高めることができるのではないかと考えることができる。
3.研究の方法と対象
(1) 研究の方法
[1]モラール及びパーソナリテイーについての文献研究
[2]調査項目策定と調査計画
[3]調査の実施・集計と分析
[4]モラールと学校経営等との関連分析
[5]運営改善の試み
[6]職員の変容調査:観察とその分析
[7]研究のまとめ
(2) 研究の対象
本校教職員33名(男16,女17)4.研究の概要と考察
(1) モラール要因についての調査と考察
前記のように教職員のモラール及び意識水準の調査からいくつかの不満要因が現れているが,更に次のような視点からの追究を試みた。
○ 教職に対しての満足・不満足要因
○ 職場のふんい気についての不満要因
○ 経営過程とその参加についての満足と不満の要因
調査の方法は質問紙法による。(質問項目は省略)[1] 教職に対しての意識
調査の結果「その80%が教職の重要性を認識し,充分に魅力を感じている」という点で極めて健全であるが,問題は残りの20%である。その不満理由を組織とパーソナリティーの関係からみると,
ア. 職業(組織)への不順応傾向を示すもの (頻度)3 イ. 自己欲求不適応傾向とみられるもの 4
である。特に後者(イ)の具体的理由から,
○ 教職への魅力を感じさせるような機会を積極的につくる。 ○ 教師の実存的あり方への自信をつける。
などの対応が必要かと考えられる。