福島県教育センター所報ふくしま No.50(S56/1981.2) -028/042page

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織として「プロジェクト・システム」を取り入れ,運営組織の改善を試みた。

[2] プロジェクト・システム導入による運営

学校の運営組織を,校務分掌組織(従来のタテの組織)とプロジエクト組 とに分けて考え,後者を導入することにより教職員の自己関与度の高まりを期待した。
特定の課題を計画・推進するために編成される一時的組織でヨコの組織(スタッフ)である。課題目標により成員・規模・期間等を定めて組織編成する。

一方,本組織の導入に当たって留意しなければならないことは,

○ 校務分掌組織との関係。
○ 専門分野あるいは能力に重点をおきすぎることによるメンバーのかたより。
○ チーム内の人間関係
○ プロジェクトの独走
ではないかと考えられる。

[3] 教育課程編成のためのプロジェクト・チームの編成と活動(実践例)

上記のような意図から教育課程の編成を目的としたプロジェク・チームの編成と活動を提案し,実施した。

ア.その必要性とねらいについて

次年度の教育課程は,その年度の学校教育活動の全体計画であるだけに,1部1係が原案を提示審議されるものではなく,全教職員の英知を結集してなされなければならない。

特に次年度(55年度)は第三次教育改革とまでいわれる新学習指導要領による編成であるだけに極めて重要な課題でもあるのでその原案を作成するに当たっては,そのための特別な組織を編成して当たる必要がある。

イ.規模と期間について

メンバー→教育課程部7,特活主任1,生徒指導主任1,及び教頭2の計11名
期間→昭和55年2月末日を一応の期間とするが原案が審議決定された時点で解散する。

ウ.具体的内容
エ.活動の経過
ウ.エ.については省略する。詳細については、昭和54年度学校経営講座研究報告書拙稿参照

(3) 職員間の人間関係改善のための調査と対策

一方教職員のモラールは,職場内の人間関係にかかる要因がかなり強く,具体的には前記の調査からも明らかであるが,それをそのままの形で個々の教職員に改善を求めることは必ずしも適当でなく,また受け入れがたいものもある。

そこで重要な意味をもつのはリーダーのあり方になってくると思われる。本研究においては,まず指導的立場にある(一般的な)者がどのようなタイプかを把握するために,次のような調査を行った。

[1] 指導的立場にある職員のタイプ


ア.対象  校長,教頭,教務・庶務主任及び学年主任の計11名
イ.方法  質問紙法(斎藤氏の自己分析テストによる)
ウ.調査の結果と考察
指導者のタイプの類型を,
○ 独裁的タイプ
○ 民主的タイプ
○ 放任的タイプ
の3つに分けてみたとき,およそ次のような結果をえた。
―民主・放任型―…………………… 8人
―不定型(3つの混合)―…………… 3
―独裁型―…………………………… 0

調査結果から明確な民主型も放任型もなく,上記のように“民主―放任型”が多い。このことはどれがよく,どれが悪いということではなく,問題は仕事の上での状況,成員の変化に対応した最良の方法を選択し,創造することであるから,そうした意味ではよい傾向を示しているとみることもできる。

[2] リーダーの自己理解と教職員の役割意識との対応


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