福島県教育センター所報ふくしま No.50(S56/1981.2) -034/042page

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研究実践校紹介

授業の効率を高めるための工夫

特に学習意欲向上のための指導法

福島県立田村高等学校

はじめに

昭和52・53年度福島県教育委員会より学習指導法についての研究指定をうけ,標記の研究主題のもとに全ての教科で研究がすすめられた。研究の経過や概要については昭和53年11月15日,本校において報告され,集録が出されているが,ここでは紙数の関係から全教科に及ぶことは困難であり国語・社会・数学・理科に限ることになった。生徒の変化の中で,研究主題である学習指導法の研究は本校が当面する切実な課題でもあり,次の三つの方針のもとに研究が進められた。

(1)生徒の実態とこれまでの指導方法を見直す。
(2)全教科が研究に参加し,他教科についての理解も深める。
(3)生徒の自主的学習態度の確立のための指導方法を探る。

1.研究のすすめ方

(1) 研究主題(標記のとおり)

(2) 主題設定の理由

本校は大規模校として,地域的,制度的要因もあって近年とみに生徒の能力が多様化してきて学習指導上大きな問題点となった。特に学習意欲の低下が目立っており,生徒の学習意欲の実態をとらえ,それに即した教科の指導方法を探究し,学習意欲の向上と授業の効率を高めるくふうをめざすことにした。

(3) 各教科の研究テーマ

ここで報告する四教科については,それぞれの箇所でテーマを明記しているので略して,報告できな、い三教科について記すと,体育科の「持久走(長距離走)を意欲的に行わせるにはどのように指導したらよいか」,芸術科の「喜びと感動のある表現を学習するにはどのように指導したらよいか」,家庭科の「調理の基礎技術を定着させるにはどのように指導したらよいか」ということになる。

2.研究組織
研究組織

3.生徒の実態

(1) 実態調査

52年7月と53年9月に同一項目の実態調査を実施した。内容の主なるものをあげると,高校進学の理由,予習や復習に関して,授業中の態度や理解度,授業についての希望(各科目ごと),自学自習に関するもの,生徒と家庭との問題などである。

(2) 実態の分析(52年調査から)


[1] 入学の動機があいまいで学校に対する誇りを持っていない生徒もかなりいる。年々そういう 傾向であると見られる。学習意欲の高揚が必要である。

[2] 予習をする生徒は半数に満たず時間も少ない。理由は「何となくやる気がしない」というもの が多い。予習を前提とした授業のくふうが必要である。

[3] 授業に対する希望は多様である。教師の自己反省の貴重な資料として生かしていく。

4.各教科の研究

◇国語科
課題を与えた学習の成果をあげるにはどのように指導したらよいか。

(1) 研究テーマ設定の理由

国語科では52年度から学習指導法に関する研究指定校のテーマに沿って研究を進めてきたが課題を与えた学習を「現代国語の授業」にしぼってテーマを深めることにした。その理由と経過を記す。


[1] 各種アンケートで「現国」を不得意とする者の数が多く,「現国」学習について「勉強法が わからない」などの悩みをもつ者が高率を示したこと。

[2] 授業のなかで生徒を能動的に活動させるためには,学習に手がかりを与え,授業の道すじを さし示すことが必要である。


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