福島県教育センター所報ふくしま No.50(S56/1981.2) -039/042page

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〈アイデイア紹介〉

保健コーナーの設置

いわき市立小川中学校教諭  稲村 功

1.はじめに

昭和54年より3か年,文部省指定・体力つくり推進校として,体力つくりの研究を進めてきましたが,その中で,生徒の保健活動への実践的態度に欠けていることが分かった。

そこで,保体部,養護教諭が中心になって「どうすれば生徒が白主的に健康管理をするか」について考えてみた。

そして,主なものとして次の3点に集約した。

(1) 健康相談
学校保健にある健康相談とは異なり,養護教諭を中心に,健康診断,諸検査,毎日の健康観察,諸調査等をもとに自主来談とした。

(2) 保健コーナーの設置
保健に対する関心を高め,発育・発達の状態を自分で計測することによって,自己の健康管理をさせる。

(3) 健康ノート「わたしのからだ」の作成
健康診断の結果や発育状況,疾病の有無,治療など日常の健康状態を把握させる。そして保護者との連絡にも活用する。

上記の中で(2)と(3)の実践を通して生徒たちが自己の健康管理に意欲的にとり組むようになったので紹介してみる。

2.実践状況

〈保健コーナーの設置〉

保健室に保管されている器具を他の場所に移し生徒が自由に使用できるようにする。
保健に関する資料をまとめて掲示する。
器具の管理は生徒会の保健委員が行う。
調査結果や資料作成,利用状況なども生徒たちが行う。

保健コーナーの内容としては,
(1)保健統計資料,保健だよりの掲示。
(2)疾病異常の調査結果記録の掲示。
(3)身体の機能,形態図の掲示。
(4)身体測定器具の設置。
(身長計,体重計,座高計,肺活量計,背筋力計,視力表)

保健コーナー利用状況
保健コーナー利用状況

保健コーナー利用状況――昭55.6調査

1年 2年 3年 全体
毎日利用している 2% 3% 2% 2%
時々利用している 84 93 89 87
利用していない 14 10 9 11

上記の調査結果から
廊下の一部を利用して設置したため気軽に計測できたようである。
第2の成長期という点で関心度が高く,月1回の測定を原則としたが毎週利用している者も みられた。
健康ノートの記入,保健学習の実習など非常に便利になった。
器具の取扱いに慣れ,大切に使用するようになった。

保健コーナーの一部
保健コーナーの一部


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