福島県教育センター所報ふくしま No.51(S56/1981.6) -009/042page
高等学校教材 入カデータのエラー検出
科学技術教育部 仁 科 彦
コンピュータ処理の段階におけるエラー発生の原因には、機械の故障、電源異常、プログラムの欠陥、操作ミス等による場合もあるが、原因の大半は、入力データエラーである。「人間の手が介在したところには、必ずエラーがある。」といわれるように、入力データ作成過程では、多くの人の手が介在するからである。
データ処理におけるエラー対策としてはチェッキングシステムがある。これは、エラー防止、工ラー検出、エラー回復の三要素からなっている。
ここでは、売上データ処理に例をとって、プログラムによる入カデータのエラー検出についてとりあげた。新設科目「情報処理II」の教材として多少なりとも参考になれば幸いである。1.入カデータチェックの処理概要
(1) プルーフリスト
入力したすべてのデータや、後述するバッチコントロールチェックの効果などを見やすく一覧表形式にプリントアウトしたリストである。入カデータ作成過程における帳票記入、せん孔などが正しかったかどうかをチェックするためにプルーフリストと帳票内容を読み合わせて行うサイトチェックやエラー修正のための資料として利用される。エラー箇所に表示をしておくと便利である。 なお、エラーデータだけをプリントアウトする場合もある。
(2) 変動ファイルヘの出力
変動ファイルにエラーデータを含めて出力するか、あるいは、エラーデータを除いて正しいデータだけを出力するかという間題があるが、これはエラー回復システムとの関連で決定されなけれぱならない。2.バッチコントロールチェック
入力するデータをある程度の量にまとめたものをバッチという。データ列は、業務種別、部課別あるいは伝票枚数などを基準にして、複数のバッチに分けられる。このようなバッチを組むねらいは、作業能率を高めることや、エラーデータの抽出を容易にすることにある。
なお、バッチ単位にまとめた伝票の束には、伝票枚数、伝票各項目の総合計などを記載した集計票を添付しておく。
(1) バッチコントロールカード
1バッチ分に関する情報をせん孔したカ一ドである。
バッチ番号、バッチの最初と最後の伝票番号、その他バッチに添付された集計票の内容などをせん孔する。
これを入力