福島県教育センター所報ふくしま No.51(S56/1981.6) -011/042page

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  〔伝票番号<WAのとき。(同じ伝票番号)〕
 データの重複・混入、伝票番号のパンチミス、以前のデータのエラーなどが考えられる。
 なお、エラー発生時には以後の処理のため、WAの値を修正しておく。
 d(丸囲み) 〔伝票番号<最後の伝票番号のとき。〕
 データの不足、エンドカードが途中に入っている、バッチコントロールカードのパンチミスなどが考えられる。
(3) 得意先コードおよび商品コードのチェック
1 チェックデジットによるチェック
a(丸囲み) チェックデジットの算出
   
(例)
コ一ドの各けたにウェイトを乗ずる。 (コード)

(ウエイト)
3134
XXXX
4321
 ↓ 
乗算結果を加える。 12+3+6+4=25
計25をモジュラス11で割る。 25÷11=2余り3
モジュラスから余り3を引く。答をチェックデジットとする。 11-3= 8
減算結果8をコードに附加して、31348とする。

b(丸囲み) チェック方法
 コードを入カしたら、上記算出方法により、チェックデジットを算出し、これと入力したチェックデジットが一致するかどうかを調べる。
 (注)モジュラスとウェイトのとり方によってエラー検出率が異なる。つぎの表は、松下通信工業、植山喬氏の調査によるものである。

各種チェックデジットの法則の評価(%)
ケタ数 モジュラス ウェイト 誤字 転倒エラー 複転エラー ランダムエラー
6 10 1.2.1.2.1.2 94.3 100.0 0.0 90.0
6 10 1.3.1.3.1.3 100.0 95.0 0.0 90.0
6 10 6.5.4.3.2.1 87.0 100.0 96.0 90.0
6 10 8.7.4.3.2.1 94.3 100.0 96.0 90.0
6 10 1.3.7.1.3.7 100.0 95.0 96.0 90.0
6 11 6.5.4.3.2.1 100.0 100.0 100.0 90.9

2 コードテーブルとの照合
 プログラムに得意先コード、商品コードのテーブルを用意し、入力したコードがテーブル内のコードと一致するかどうかを調ぺる。
 また、マスターファイルのコードとマッチングする方法もあるが、それには、変動ファイルをコード順に分類しておく処理が必要である。コードの変更・追加が頻繁に行われる場合などは、この方法による。
(4) 数量・単価・金額のチェック
○ 入カした金額が数量×単価の演算結果と一致するかどうかを調ぺる。不一致のときは、それぞれの項目についてパンチミス、手計算ミス、転記ミス等を疑ってみる。
○ 数量・単価は、過去の実績やその商品の性質から、ある範囲内の値をとることがわかっていれぱ、その妥当性についてチェックを行う。
○ 単価に円未満の端数がある場合には、求めた金額の端数処理について明確にしておかなければならない。
(5) 年・月・日のチェック
○ 日付については、それぞれとり得る最大値と最小値があるので、これと比較することによってエラーを検出する。
○ コンソールから入力した年・月・日と比較して、処理対象範囲の期間内かどうかを調ぺる。

 おわりに

 これまで、種々のチェック方法について述ぺてきたが、このようなチェック方法をすべて行うものとは限らない。チェックに要する費用や時間等を考慮して、ある程度のチェックですませる場合もあろう。
 エラー防止、エラー回復については、むしろ多くの問題点を含んでいる。
 近年、これらの問題に加え、ともすると軽視されがちであった「人間」の間題も含めたチェッキングシステムが工夫されている。

参考文献
小沢暢夫著 インプットシステム設計
日刊工業


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