福島県教育センター所報ふくしま No.52(S56/1981.8) -007/034page

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るものである。また,皮や腱(けん)などの主成分をなし,骨の基質を形成する強じんな繊維状の組織である。結合組織のおもなものは,コラーゲン,エラスチンである。

脂肪組織は,結合組織の一種で内臓器官の周りや皮下組織,結合組織や筋肉内に沈着している。

給合組織の多いものは硬いので,用途に応じて肉の選択が必要である。

3 ひき肉の調理上の性質

(1)ハンバーグステーキにおける副材料の割合

(目的)ひき肉の調理上の性質とひき肉に加える副材料の役割について考えさせる。

(用具)一般調理器具

(材料)



材料

 

A

B

C

D

備考

a 合びき肉

たまねぎ

バター

食パン

牛乳

50

0

0

0

0

5

0.5

少々

5

100

0

0

15

15

13

1.3

少々

10

100

30

2.4

0

0

13

1.3

少々

10

100

30

2.4

15

15

16

1.6

少々

10

肉の30%

たまねぎの8%

肉の15%

食パンと同量

aの10%

aの1%

 

食品

こしょう

サラダ油

(方法)

[1]材料は,上記の表のようにA〜Dの4種の材料を用意しておく。

たまねぎはみじん切りにし,バターでいためておく。

食パンは,細かくちぎり牛乳でしめらせておく。

[2]材料はそれぞれ均一になるようによく混ぜる。

[3]A〜Dより混ぜた材料を50gずつ測り,これを厚さ1〜1.2cmの円形にする。厚さ直径を測っておく。残った材料は,まとめて別に焼く。

[4]フライパンにサラダ油を5cc熱し,成形したハンバーグステーキを入れ,強火でゆっくり動かしながら焦げ目がつくまで30秒焼き,次に火を弱めて3分焼く。裏返して火を強めて30秒焼き,次に弱火にして,中まで火が通るようにふたをして2分焼く。

[5]焼き上がったものの厚さ,直径を測り,形を比較する。食味をし,におい,硬さ,味,総合的なおいしさを比較し,ひき肉の調理上の性質や副材料の役割を考える。

(結果とまとめ)

 

A

B

C

D

はじめの厚さ 1cm 1cm 1cm 1cm
はじめの直径 6.85cm 6.85cm 6.85cm 6.85cm
焼き上がりの厚さ 1.8cm 中 2cm
周 1.5cm
中 2cm
周 1.5cm
中 2.5cm
周 1.8cm
焼き上がりの直径 5.51cm 5.75cm 5.64cm 5.86cm
焼き上がりの重量 38g 40g 38.9g 41g
焼き時間 5分 5分 5分 5分

(註)厚さらんの中は中央,周は周囲である。

写真3 ハンバーグステーキの焼き上がりの状態
写真3 ハンバーグステーキの焼き上がりの状態

写真3のAは,ひき肉に卵と調味料だけを加えたもので,Dの食パンやたまねぎを加えたものより,焼き上がりの直径も小さく,重量も少ない。Aは,ひき肉を卵でつないでいるが,ひき肉の収縮が大きいので,食べては硬い。

Dは,ソフトな口ざわりで,やわらかい味であり,A〜Dでは一番良好な食味である。

Bは,Aの材料に食パンが加わったもので,食べてはAよりもやわらかい。食パンは,グルテンの活性を失ったもので粘着カはないが.ハンバーグステーキの量をまし,やわらかくする役目をする。

Cは,Aの材料にたまねぎを入れたもので,肉のくさみをけし,たまねぎの香りはよいが粘着性は全くないので,硬さはBよりも硬く,またB,Dにくらべて,焼き上がりの直径も小さく,重量も少ない。

(2)ハンバーグステーキに用いるひき肉の違いと焼き上がりの状態


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