福島県教育センター所報ふくしま No.52(S56/1981.8) -008/034page
(材料)(1)のDの材料と同じにして,ひき肉のところだけ,一方は合いびき肉,他方を豚ひき肉とする。
(方法)(1)のDの作り方と同様にする。
(結果とまとめ)
写真4で見られるように,豚ひき肉を用いた方は収縮が大で,直径では合いびき肉より約10%滅,重量で13%減となっている。
豚ひき肉は,合いびき肉にくらべて脂質が多いので,加熱によって脂質が溶けでるためである。豚ひき肉で指導する際は,この点をおさえて指導したい。
(3)ハンバーグステーキを作る際のこね回数と焼き上がりの状態
(材料) (1)のDの材料
(方法)
[1](1)のDの材料を用いて,10回ぐらいこねて円形にして(1)と同様に焼く。
[2](1)のDの材料を用いて,30回ぐらいこねて円形にして(1)と同様に焼く。
(結果とまとめ)
左のハンバーグステーキは,30回こねて円形にして焼いたものである。
10回こねたものにくらべて,副材料が均一に混ぎり,見た目もなめらかによくかたまっている。10回のものは,形にはなるが,副材料が均一に混ぎっていない。ひき肉は,加える食塩とこね回数によって,焼き上がりの状態が逢うことを指導したい。
4 調理実習の評価
食物2では,青少年向きの献立作成及び日常食の調理ができるように指導するが,事前指導の際に,調理実習にあたっては,この調理で生徒たちに達成させたい到達目標を提示しておく。
教師は,生徒の目標達成状況を観点ごとにおさえる努力が必要である。その際,生徒も提示された目標の達成状況をグループ毎に実習後,反省,評価する。生徒にとっては.自己の学習状態を反省することは,技術の定着をはかるよい手がかりとなる。
教師は,生徒の相互評価表を指導法の改善や指導の徹底をはかる資料として活用するようにしたい。
生徒の調理実習反省・相互評価表
ハンバーグステーキを例として
調理実習の反省・評価 年 月 日
献立名 年組班 氏名
評価の項目 評価 所見 感 想 材料の準備 ABC 仕事の手順 ABC 材料の扱い方 材料の衛生的な扱い方
たまねぎのみじん切り
材料のまぜ方
ABC
ABC
ABC
加熱の状態 火の通り方 ABC 色 表面の適度のこげ色 表面がよごれていない
ABC ABC
形 小判形またはまる形 ABC 調味 塩味 1〜1.5% 香辛料適当
ABC ABC
先生の評価 もりつけ ABC 食事作法 ABC あとかたづけ ABC 作業分担と協力 ABC 熱源の扱い方 ABC A……良好 B……普通 C……よくない
5 おわりに
調理は,食品の調理上の性質をよく理解し,それにさからわないようにしないとよい結果は得られない。指導の際,適切な資料を準備し,生徒の理解を助けるようにし,調理の時に,この性質がじょうずに活用できるようにさせたいものである。