福島県教育センター所報ふくしま No.52(S56/1981.8) -015/034page
イ 基本的作文技能とは
(文章構成過程に即した技能) (ことばに関する事項技能) ○ 取 材 ○ 文 字 ○ 構 想 ○ 表 記 ○ 記 述 ○ 文の技能
・事象を客観的に表現する ―
・修飾語の被修飾語を使う ・順序を考えて書く ○ 語句の技能
・効果的に表現する ――――
・語句を効果的に使う ・段落をおさえて書く ・文の中で語句を正しく使う ○ 推 考 ○ 文章の技能「作文指導の体系化と創造的展開」瀬川 栄志 明治図書
※ 本研究では特に,線で結んだ内容に焦点を絞り,研究を進めることにした。
ウ 研究をすすめる視点
様子や気持ちを読み手に十分にわからせるためには,描こうとする個々のものの特徴や行為をよく見つめ,的確に表現しなくてはならない。そのための方法として,まず,五感をするどく働かせ,その結果得た感動や印象に対して,自分なりの意見や感想などを観察観点表にまとめる。次に,その観点表をもとに文章を書けば,よりふくらみのある文章になるし,また,抵抗感少なく,ある程度の長文が書けるようになる。
エ 文,文章をふくらますことの段階
五感を通し観察観点別に対象を見つめる。 ↓
見たまま,感じたままを観察観点表にまとめる ↓
効果的な表現の仕方を工夫する。比喩・擬態(声)語・倒置法などを使う。 ↓
認識した事象に対する感想,意見を加える。 ↓
主題のはっきりした文章を書く。 [2]検証授業計画
ア 単元名,様子や気持ちのえがき方を工夫して(東書6年下)
ア 目 標
○ 場面の様子や人物の気持ちをいきいきと表現するための観察の観点や,心情の表現のし方を理解する。
○ 理解した観察の観点や,心情表現のし方を生かし,読み手に対し効果的に訴えるカを持った表現ができるようにする。
○ 事象と感想,意見などを区別して文章に書き表すとともに,語句の使い方を効果的にする。
ウ 指導計画 総時数 7時間
1次 ○全文を通読し,学習計画を立てる。(1)
2次 ○教材文から,様子を表現するための工夫を読みとる。(1)
○観察観点別に分析する方法を知り,自分の作文を分析する。(1)
○五感で認識した事柄を観察観点表にまとめ,様子がよくわかるような文章を書く。(1)
3次 ○教材文から,気持ちを表現するための工夫を読みとる。(1)
○自分の作文を観察観点別に分析し気持ちがよくわかる文章を書く(1)
4次 ○作文の発表会とまとめをする。(1)エ 本時の指導(7分の3)
(ア)本時のねらい
様子の観察観点を知り,自分の作文を分析し,観察観点表にまとめられる。
(イ)指導過程
段階
学習活動・内容
時
指導上の留意点
導入
展開
終末
1本時のめあてを知る
2 参考作文をもとに,観察の観点と表現のし方を知る。
○何で(感覚器官), 何を(観点)観察 するか。
○自分の感想,意見 が書かれているか
○観察したことの表現のし方はどうか
3 自分の作文を分析する。
○作文を分析する。
○問題点をつかむ。
○新たに観察の観点を考える。
4 本時のまとめをする。
5 次時の予告を聞く。
5
15
15
5
5○様子を観察する場合の観点と観察したものの表現のし方
○OHP,観察観点表を使い参考作文(児童)を分析的に見させる。
○目では形,色,量などのように,五感のそれぞれについて具体的な観点をわからせる。
○比喩,擬態(声)語を使っていることを確認させる。
○以前に書いてある作文について観点,表現の工夫,感想,意見が十分であるか。
○観察観点表に分析結果をまとめさせる。