福島県教育センター所報ふくしま No.52(S56/1981.8) -016/034page

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オ 本時の指導(7分の4)

(ア)本時のねらい

分析した自分の作文の問題点を修正し,様子がよくわかる文章を書くことができる。

(イ)指導過程

段階

学習活動・内容

指導上の留意点

導入

 

展開

 

 

 

 

 

終末

1 本時のめあてを知る。

2 作文を修正する。

 ○前時に分析した観点表に不足している観点を書き加える。

 ○表現のし方に工夫を加える。

 ○感想,意見を加える。

3 具体的な表現のし方を練習する。

 ○短文作りをする。

4 様子がよくわかる文章を書く。

5 本時の学習のまとめをする。

6 次時の予告を聞く。

3

 

 

 

10

 

7

 

 

20

 

 

 

5

○前時で分析した自分の作文の問題点を修正し様子がよくわかる文章を書く事を確認させる。

 

○観察もれになっている観点はないか。

○比喩,擬態(声)語は使われているか。

○感想,意見がしっかり書かれているか。

○短文作業プリントにやらせる。

○「美しい」「いいにおい」などを具体的に表現できるようにさせる。

○観察観点を構想メモとして使わせる。

(2)検証と考察

[1]検証の観点

ア 本単元では,様子及び気持ちの表現のし方を7時間中6時間を使って指導するので,検証授業だけで変容をとらえることが困難なため,単元全体を通すことにした。

イ 検証授業の評価は,授業観察と観察観点表における自分の作文の分析の具合い及び短作文の内容からおこなう。

ウ 様子及び気持ちの表現のし方の変容は,事前,事後の短文表現テストの結果及び事前,事後の短作文の比較から判断する。

エ 作文力の量的な評価は,短作文における文字数,文教,観察観点項目数などでおこなう。

また,質的な評価は,短文表現テストや短作文の内容検討によっておこなう。

[2]授業の考察

ア 本単元で「様子の表現のし方」を3時間,「気持ちの表現のし方」に2時間としたのは,観察観点表をこの単元で初めて使うので,その使い方と作文の分析のし方を「様子の表現のし方」の中で指導するためである。

イ 第3時と第5時において,事前に書いた自分の作文を分析させた結果,観察の観点の少なさにおどろいていた。また,単元を通して,客観的に作文を評価できるようになった。

ウ 表現の工夫において, 比喩,擬態(声)語などを数多く効果的に使うことができるようになってきた。

エ 「五感を通して事象をしっかり見なさい。」という働きだけでなく,具体的な観察の観点を明らかにして提示することによって,取材力もついてきた。

[3]事前,事後テストの結果

 ア 作文の結果

 (ア)文字量について(平均)

  全体の文字数 文数 一文あたりの文字数
様子
作文
気持ち
作文
様子
作文
気持ち
作文
様子
作文
気持ち作文
指導前 240 253 8.7 10.3 27.4 24.5
指導後 257 356 8.8 12.4 29.5 28.7
増減 +17 +103 +0.1 +2.1 +2.1 4.2

 (イ)観察の観点項目数について(のべ)

  様子を表現した作文 気持ちを表現した作文
触感 表情観察 行動観察
指導前 72 0 14 33 3 31 51
指導後 101 1 28 54 11 84 108
増減 +29 +1 +14 +21 +8 +53 +57

 (ウ)抽出児における変容(気持ち表現作文)

  上位M,O(女) 中位K,O(女) 下位T,T(男)
  増減 増減 増減
全体の文字数 495 741 246 273 425 152 236 367 131
文 数 17 24 7 13 15 2 8 9 1
一文字当たりの文字数 29 31 2 21 29 8 29 42 13
観察観点項目数 5 12 7 2 6 4 2 6 4
比喩,擬態(声)語 2 6 4 1 4 3 3 5 2
感想,意見 1 1 0 1 2 1 1 3 2
短文表現テスト正答率 100 100 0 57 86 29 0 71 71
段 階 4 5 1 2 4 2 2 3 1

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