福島県教育センター所報ふくしま No.53(S56/1981.10) -007/034page

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心に構成されていることを示している。
合科的単元年間配列及び関連教科

(5)合科的単元指導計画例
1.単元名 きのはや きのみで あそぼう(11月教材 7時間扱い)
2.関連教科の目標と単元設定の意図
関連教科の目標と単元設定の意図

3.総合目標
○秋の野山に出て、いろいろな植物を見たり、木の葉、木の実を探したり、集めたり、好きな形を作ったり、絵に書いたりする活動を通して、植物の色や形などの特徴・美しさや巧みさに気づかせるとともに、秋の自然(植物)に親しむ楽しさを味わわせる。


4.指導計画
(1)関連教科
関連教科

(2)合科的指導

文節

具体目標

活動と内容

第一次 (2) きのはやこのみをあつめよう ○木の葉や木の実に興味や関心をもつことができる

○夏のころに比べて木の葉の色など、変化しているものがあることに気付くことができる

○種類の違う木の葉や木の実をたくさんあつめることができる

○集めた葉や、実の特色(色・形など)を紹介することができる

○葉や実の色や形から連想して作りたいものを並べて遊ぶことができる

○どんぐりになったつもりで、楽しく歌うことができる

○木の葉や木の実で作ったものを見て、色の美しさや形のおもしろさについて話し合い、木の葉や木の実の採集計画を立てる(理、図)

○絵地図で採集地までの道順を調べ、危険な場所を確認する

○自然の中から秋らしいものを見つけながら、木の葉や木の実の拾える場所に行く(理)

○落ち葉や木の実をたくさん拾い集め、どの木から落ちたものか確める

○自慢の葉や実を紹介する

○どんなものが作れるか、地面に並べて遊ぶ(図)

○木の下で楽しく「どんぐりころころ」を歌う(音)

○木の葉や木の実を仲間分けしてビニル袋に入れて持ち帰る(葉はおしばにした方がよい)

第二次 (1) きのはやきのみをかぞえよう ○各自、自由な数え方で、集めた木の葉や木の実を数えることができる

○速く正しく数える方法を見つけることができる

○10ずつまとめて数えることができる

○100までのものを正確に数えることができる

○「どんぐりころころ」を歌う

○木の葉や木の実を誰がたくさん拾ったか数えて比べる

○速く正しく数える方法を見つけて数えなおす・2ずつ・5ずつ・10ずつまとめて

○10のまとまりで100までの数を唱える

○10のまとまりがいくつと、ばらがいくつでみんなでいくつと、自分の数を発表する

 



5.学習指導過程
(1)目標 秋の野山に出かけて色づいた木の葉や木の実を集め、色や形の美しさやおもしろさに気付くとともに、その特徴から連想してつくりたいものを並べて遊ぶことができる
(2)展開

過程目標

学習活動と内容

時配

合科的指導の方法

評価

木の葉や木の実あつめに興味や関心をもつことができる ○木の葉や木の実で作ったものを見て色の美しさや形のおもしろさについて話し合う

○採集計画を立てる・木の葉や木の実をたくさん集められそうなところ

15分 ○VTRや実物の作品を見せて、葉や実の色や形の美しさやおもしろさを見出させ、採りに行きたいという興味をおこさせる ○木の葉や木の実を集めて作って遊びたいという意欲を持ったか


5.おわりに
 合科的指導単元作成の手順について,具体例をとおして紹介してきたが,高野尚好文部省教科調査官は,合科的指導実施のためには「学校体制づくりと指導計画づくりを行うことである。つまり合科的な指導は,一人の教師の熱意や思いつきでは十分な成果を上げられるものではない。それは,学校全体の意志と計画的な指導が固められて,はじめてできるものである。」と述べ,全校的な研究組織の中で取り組むべきであることを強調している。ここに紹介してきた具体例を参考にして計画的な合科的指導実施の一助になれば幸いである。

引用・参考文献
研究紀要185,189,200集 千葉県教育センター
小学校低学における合科的指導に関する研究 全教連
研究報告書第120号 愛知県教育センター
学校運営研究 8月号 明治図書
小学校教育課程一般指導資料1 文部省

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