福島県教育センター所報ふくしま No.53(S56/1981.10) -017/034page
が大切である。
4 同一画面でも彩色によって全く違った作品になるということを理解させ,画面のもつイメージと配色とのかかわり合いについての認識を高める必要がある。
5 OHPで同一風景を投影し各種の色彩をかぶせてそれぞれの感じのちがいを理解させれば彩色表現上.思いきった色で大胆にしかも自分の表現したいイメージを生き生きと表すことができるのではないかと考える。
(2)仮説
彩色構想の段階においてOHPを使い単色画面の上に各種のカラーシートをかぶせて投影し、色彩のもつ感情や配色による効果に気づかせれば、主題意識にせまった豊かな表現ができるであろう。
3 計画
(1)方法 二群法による
(2)対象 1年生 1年7組(実験学級)42名
1年2組(統制学級)41名
1 美術科絵画領域の評定をもとに等質群を編成する。
2 男女別に編成する。
3 等質群編成人数
(表3)
評定 上 中 下 合計 性別 男子 5
5
5
15
女子 5
5
5
15
合計 10
10
10
30
(3)組織 個人研究
(4)日程
1 事前研究の段階
ア 研究計画の樹立 6月
イ 実態調査 6月
ウ 研究主題の決定 6月
エ 文献研究 6月
オ 仮設の設定 6月
2 検証の段階
ア 教材研究と指導計画の作成
イ 検証授業 題材名「校内生活から」
構想画 10月
3 整理の段階
ア 結果の分析 11月
イ 研究のまとめと反省 11月
ウ 研究報告書の作成 11〜12月
4 概要と考察
(1)研究経過
1 事前調査
ア 興味・関心の調査
美術料領域別における生徒の興味関心の度合いを調べ,絵画領域に対する実態を把握する。
(表4)領域別興味調査(男女83名)
性別 絵画 工芸 デザイン 彫塑 版画 好き 男子 14% 35% 5% 16% 10% 女子 10% 25% 10% 18% 16% 嫌い 男子 30% 3% 5% 0% 29% 女子 25% 10% 7% 12% 16% どちらでもない 男子 7% 14% 42% 36% 13% 女子 14% 13% 31% 18% 16%
イ 障害点や学習経験についての調査
絵画学習における障害点やこれまでの教材やモチーフに対する興味関心の実態を知る。(表1・2参照)
(表5)参考資料の活用についての実態調査
(男女83名)
生徒の実態
男子
女子
計
参考資料や作品を見ないでも描ける 19% 5% 12% 参考資料や作品を見ても見なくても描ける 14% 45% 29% 参考資料や作品を見た方がよく画ける 67% 50% 59%
事前調査の結果から見ると絵画領域においては構想画こ興味をもつ生徒が多いが製作の段階で彩色上のつまずきが多く見られる。
主題にせまるためには.どこをどのような彩色を使用すればよいか具体的に気づかせ習得させる必要がある。