福島県教育センター所報ふくしま No.53(S56/1981.10) -025/034page

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研究実践校紹介

ゆとりと充実をめざす教育活動

  ―自主性を育てる望ましい集団活動―

西白河郡西郷村立小田倉小学校


1 主題設定の理由
(1)新学習指導要領の趣旨である知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童の育成は.児童が日々生き生きとして,心身ともに安定した学校生活のもとで、ひとりひとりの個性や能力を生かし,自ら学びとる学習態度をつくることにある。このことは.教科学習はもちろん,児童活動全体を含めて学校や教師の自発的な創意工夫が大切である。
 そこで、現在までの学校生活に改善を加え,ゆとりある.しかも充実した学校生活をきずくとともに「 望ましい 集団活動」の指導原理に基づいて本校の教育目標の具現化を図ることが,所期の目的を達成するための手だてになるものと考えられる。
(2)本校は,昭和50年県教育委員会より教育課程研究学校の指定を受けたのを機会に.児童の実態を調査分析した。その結果,特別活動を中核とした学級会活動,児童会活動の研究、さらには.ゆとりの時間の活用研究へと発展させてきた。そして、次のような成果を上げることができた。
○ 学級、学校生活に対する問題意識の理解と.その問題解決への手だて
○ 楽しい学校生活への関心や期待
○ 教師の指導・助言に村する姿勢の確立
○ 新指導要領への移行に伴う余剰時間の生みだし
○ 創意を生かした教育活動へのとりくみ
(3)教科学習の成果をより発展充実させるために集団活動によって培われた自主的.実践的態度を基盤に, 個性豊かな創造性 を育てたい。そのため表現活動をさかんにすることが大切である。
(4)時間的にも精神的にも,ゆとりと充実に満ちた学校生活がおくられるように,生活時程の運用改善を行い、質や量の面から活動内容の精選を図りその日常化と充実につとめる。
 こうした,「生活の中に学習を結合する」といった多様な集団活動を通して.個性豊かで自主的実践的に自ら学びとる児童の育成をめざして.この主題を設定した。

2 研究内容
(1)研究のねらい
 1 これまでの研究をより発展・充実させるため,組織的集団活動を通して. 児童の自主性.自発性 をいっそう生かすことのできる特別活動の計画と運営を図る。
 2 ゆとりある.しかも充実した学校生活の趣旨に基づいて. 児童の創意・工夫 が生かされる活動を設定し,満足感や充実感を味わわせる。
 3 児童の協力による活動が行われる場と機会を拡充し,児童の協調心.連帯意識の高揚と 活動の日常化 を図る。
(2)研究の方針
   研究をすすめるにあたっては、5年間の研究実績と反省の上にたって,地味で継続性のある研究をすすめる。
  1 研究に対する共通理解をはかる。
   全教師が.研究に対する深い理解(理論と実践)と共通意識をもち.児童の自主的,実践的態度を育てるための積極的研究をすすめる。
  2 5年間の研究実績を大切にする。
   過去5年間の研究実績を基盤として.更に創意と工夫による活発な集団活動のもり上げをはかる。
  3 授業実践によって研究を深める。
   授業研究は,2−1−2方式をとり、質的な内容の深まりを追求する。
  4 教科学習との関連を重視する。
   教科学習との関連を重視することにより.その教科内容の充実と発展の機会と場を設定する。
  5 新学習指導要領の趣旨を十分に生かす。
   「ゆとりのある.しかも.充実した学校生活」をめざして研究をすすめる。
  6 研究推進の運営改善をはかる。
   反省をもとに、研究計画、研究組織.運営等に改善を加えながら,効率的な研究がすすめら

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