福島県教育センター所報ふくしま No.55(S57/1982.2) -008/034page
実際の授業は石で作る時間が短かったが実態を見てみると60分間はぽしい。なお、折角作ったものをこわしてしまうのは惜しいので、作品を板の上に残したり、VTRで撮っておいてやる配慮がぽしい。児童はとてつもなく楽しい作品を作るものである。
2. 教材、教具の工夫
ア. 石置き場
石を使ってダイナミックな活動を期待する授業を展開しようとするならば、児童が持ち帰った石ではとうていまかないきれない。そこで足りない石をいっでも補采るように石置き場を」設置しておきたい。学校の環境などでいろいろ工夫できるであろうが、簡単な石置き場の例を示す。
彫り込みだけの発泡スチロール板 石を彫り込みに入れ終わった姿 イ. 造形意欲を高める教具
第3次めの授業の導入に使用した教具である。何のへんてつもない教具であるが、できるだけ速く、的確にめあてをとらえさせ、児童の活動の時間を十分にとりたいという意図で考案したものである。発泡スチロールの彫り込みにちょうど入る石を別にして拾き、児童に石の特徴を示しながら彫り込みに石を入れていく。最後にあるものの形ができあがるわけであるが、教師が多くを話さなくても児童の造形意欲は十分にわく。
(作り方)厚さ2pの発泡スチロール板2枚を用いる。1枚を垂直に置いても石がはめ込めるように彫り込み、もう1'枚の発泡スチロール板にスチロールボンドで接着する。石の形によって彫り込みの足りない場含は2枚めの発泡スチロール板も彫り込む。
ウ. 石で作って形を残す方法
児童が折角作ったものを取り払うのはしのびない。残せれば、評価の重要な手がかりにもなるということで考えたいものである。
(作り方)
ベニヤ板を適当な大きさに切り、着色(ビニコートで)してやると効果的である。石にコンクリートセメダインを着けてベニヤ板に接着する。写真は、30×30pのベニヤ板の作晶例である。
3. おわりに
紙面の都合で十分に言及できなかったが、合科的指導に重要なポイントを探すためのひとつの試みである。合科的指導については、感情や理念では納得できても、具体的な学習場面に拾ける児童の実態とその評価を明確にすることに時間を費やすべきと思う。手堅い指導計画の立案のために。
参考文献 ○ 文部省善刀等中等教育局昭和54年、55年度
教育研究開発に関する委嘱調査研究報告書