福島県教育センター所報ふくしま No.55(S57/1982.2) -016/034page
6. 演習 一斉講義の時の基本演習とは別に節の終わりに、2、3時間設ける。問題内容は3段階に分け、プリント。習熟度に応じた問題段階を指示、一斉指導や個別指導を適宜する。 (2) 反省・問題点 ・ 進度が遅れがちであった。
・ 上位学力者への対応に問題が残る。
・ 教師側からの働きかけが多く、生徒の創意が失われた面もある。
実践 II − 習熟度別講座編成による指導法の研究
(1) 経過・指導法 対象:1年全クラス 1. 授業形態 ・ 普通クラス −基礎事項の習熟を図る。
・ 発展クラス −基礎事項の徹底と更に発展 した事項の習熟を図る。1・2・3組→ 普通 2クラス、発展 1クラス
4・5・6組の分け方も同様。2. 編成の時期・方法 時期 − 数 I・第1章終了後 (5月中旬)
方法 − 各種テスト結果を参考にさせ、生徒の希望による。時に指導もする。
編成替 − 1・2学期の考査終了後に各実施。
(実際は2〜3名の移動だった)
3. 指導法 ・ 普通クラス: ていねいな説明、基本的な計算練習、机間巡視による個別指導、進度は遅い。
・ 発展クラス: 発展的事項をとり入れた授業、週2回の課題学習、課題の提出率は良好。
4. テスト・評価 定期テストは全員同一問題。平常点、伸長度を加味し評価。 (2) 反省・問題点 ・ 概ね当初の目的に沿った授業が展開され、それぞれのクラスの目的にかなったと思える。
・ それぞれのクラス内でもまた習熟度の差が生じてくるが、その際の指導法に問題が残る。
・ 生徒の意欲へどう作用しているか。テスト、 評価はどうあればよいか等が今後の研究課題である。
○ 理科
課題学習を中心とした習熟度別学習指導法の研究(生物 I、化学 I)、学習のつまずきの発見(化学 I)。
(1) 研究テーマ設定の理由と研究内容 入試状況からみると、理科の成績はかなり平均的であるが、1学期末になると、その差が開き、学習に対して自信を失い、更にその差が開く傾向がみられるので、自信を取り戻させ、一人ひとりが積極的に参加する学習指導法を試みた。
(生物学 I) 1. 課題の提示と指導 難易2段階の予習課題を与え、問題意識を持たせると共に、生徒の状況把握に努めた。生徒の学力に見合った項目について発表させ、学習に自信を持たせるようにした。 2. 結果 考査の成績でみると、上位者の人数は、実験、統制両学級間にあまり差がなかったが、下位者は実験学級の方が少なかった。
(化学 I) 1. 課題の提示と指導 一般に数量的問題に弱い傾向がみられ、個人差も大きくなるところから「量的概念の定着のための指導法」をテーマに、均質グループを編成し、授業の中で、問題演習の時間を多くし、また予習、復習の課題を多く与えた。
2. 結果と反省 実験学級では、演習、課題の中で、形成的評価がよくできて成果があがった。グループの編成方法と自己評価の活用を研究したい。 3. 「つまずきの発見」とアンサーボックスの活用 学習の理解度をチェックし、生徒の思考活動の活発化を図り、発問応答を多くする手がかりとして、アンサーボックスを活用し、フィードバックを繰り返しながら指導した。「原子量とモル」の計算では事後テスト、把持テスト共、実験、統制両学級間にあまり差がなかったが、「化学反応式とその計算」では、伸び率(把持テストと事後テストの正答率の差)でみると、実験学級刑3.0と上まわった。
(2) 今後の課題 生物、化学共、実験学級の進度がかなり遅れた。今後、さらに教材の精選、構造化について研究しなければならないと思っている。 ○ 英語科
学習習熟度別講座を部分的にとり入