福島県教育センター所報ふくしま No.55(S57/1982.2) -023/034page
<研究報告>昭和55年度学校経営(A)講座
学校経営改善のための評価の研究
会津若松市立第三中学校教頭 根本 健児
1. 研究の趣旨
学校経営は、「学校教育の目的・目標を、より効果的に達成するために必要な人的・物的条件を整備し、組織的・計画的な教育活動を行う日常実践である。」といわれ、これを現代化の立場から計画・実践・評価の一貫したプロセスとして考えることが強調され、学校経営における評価活動が重要視されてきた。
本校でも、全職員のより積極的な学校経営への参加と、学校経営の改善をめざし、例年、年度初めに設定された計画がどのように創意工夫され、有機的に実践運営されたか、また、それらのねらいがどの程度達成されたかを評価反省はしているが、その領域・内容・方法等が客観性に乏しく、反省の時期が年度末のあわただしい中で行われるため総括評価反省が十分なされず、次年度の学校経営に生かしきれないなど、計画設定や実践段階に比して評価の機能が弱く、本校として学校経営の評価改善には次のような問題がある。(1) 評価の領域や観点の設定は適当だろうか
(2) 評価の基準の設定があいまいではないだろうか
(3) 評価の手順・組織・時期をどのようにしたらよいか
(4) 評価結果の処理や評価の生かし方をどのようにしたらよいか
このような本校の実態から、学校経営を合理的・客観的に評価し改善をはかり現代化を志向するという観点から、学校経営の評価を研究の主題とした。2. 見とおし
学校経営の計画・実践および成果を本校の実態に即した合理的な方法で客観的に評価し、改善策が講ぜられるならば学校経営の現代化が創造的に達成されるであろう。
3. 研究の方法と対象
(1) 研究の方法
1. 学校経営および学校経営の評価に関する文献の研究
2. 学校経営評価に対する教職員の意識調査
3. 学校経営評価票(試案)の作成
4. 試案による評価の実施
5. 結果の考察と改善策の検討(2)研究対象
本校職員34名4. 研究の結果と考察
(1) 学校経営評価に対する職員の意識調査
1. 学校経営評価のねらい<考察>
ア. 学校の営みとして計画・実践・評価という一連の活動が重要なことはいうまでもないことである。学校経営の評価は、この一連の活動のしめくくりをするものであり、学校経営全般について計画されたことが実践に移され、その実践がいかに有機的に運営されているかということを反省し、その結果を改善のために生かすところに価値がある。調査の結果、1の「教育の目標や経営の方針が実践活動を通してどの程度達成されたかを確かめる。」が79%で最も高い。次いで、2の「努力目標や実践事項がどの程度達成されたかを確認する。」が71%であり、続いて、3の「学校経営の結果を次年度の計画立案の基礎資料とする。」が59%、4