福島県教育センター所報ふくしま No.57(S57/1982.8) -019/038page

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・ 学習計画の立案

2. 水島工業地区の位置,工場分布の様子を知る。
・ 水島地区の位置
・ 工場や施設の分布の様子


1
・ どのようなことを調べたら工業の様子がわかるか。個人の考えをもとに,グループ全体で話し合わせるようにする。
・ 教科書や地図帳でその位置を確認させ,写真などから工業地区としての景観をとらえさせる。
・ 個別学習→グループ学習→全体学習という過程を経て,小単元の学習課題を設定する。 (イ)

(2) 検証と考察

  1. 検証の観点
    ア 児童のノート,グループでの話し合い,および授業観察による。
    イ 小単元にかかわる事前テスト・事後テストを実施し,その結果の比較によってまとめる。

  2. 授業の考察
    ア 本小単元に,「課題をつくる − 予想をたてる − 確かめる − まとめる」の四つの段階をあてはめて指導することにした。
    特に第一時めは,本小単元の導入,学習計画をたてる段階になるので,ていねいに扱った。「どこをとり上げるか」の発問に対し,生産額で第4位,四大工業地帯を除けば第1位である瀬戸内工業地域をとり上げることに無理はなかった。前小単元の学習と結びつけて考えることができた。

    イ 水島が新しい工業地区に変わっていった理由については,個人の予想をもとに話し合い,グループとしての考えを発表し合うという方法をとった。その結果,[1]海に面しているため海上交通が便利,製品の輸入・輸出に便利など,交通の便がよいことに注目した予想,[2]うめ立てて大きな土地がつくられたから,[3]工業用水として海の水が利用できるから,また,[4]阪神工業地帯,北九州工業地帯に近い,などを予想として上げていた。

    ウ 「水島が工業地区として発展したのは,工業をすすめるためによい条件をそなえていた。」とまとめていたが,よい条件とは何か,それを追求していくことが本小単元のねらいの一つである。具体的な例をとり上げて,立地の条件を予想させたので,子どもたちの学習にとり組む意欲は高まったものと考えられる。

    エ 立地の条件を,[1]工業用地の確保,[2]原料の輸送,[3]工業用水の確保という点から追求したが,グループごとに話し合い,まとめ,発表するという方法をとった。3時間扱いの指導で,第1,2時めはグループで調べる,第3時めで発表,そして,まとめるという手順で進めた。

    オ 自分たちの町にある工場の場合と比較しながら学習を進めた。このことは,次小単元「自動車工業のさかんな都市」での内陸部にある自動車工業の学習と結びつけることができたし,問題意識を強く持って学習にとり組むことができたと思われる。

  3. 事前テスト 事後テストの結果 (事前9月下旬 事後11月下旬) 単位%
    問 題 1 資料活用の能力 2 思考・判断 3 資料活用の能力 4 知識・理解
    小 問 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22]
    正答率 事前テスト 100 97.1 91.2 2.9 91.2 70.6 79.4 88.2 67.6 23.5 61.8 47.1 26.5 11.8 76.5 44.1 55.9 50 5.9 0 0 2.9
    事後テスト 100 100 100 94.1 97.1 100 97.1 100 88.2 67.6 79.4 85.3 61.7 67.6 97.1 79.4 76.5 88.2 47.1 17.6 55.9 94.1
    有効度指数 100 100 100 91.2 50 100 85.7 100 63.6 57.7 50 72.2 48.0 63.3 87.5 63.2 46.7 76.5 43.8 17.6 55.9 93.9


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