福島県教育センター所報ふくしま No.58(S57/1982.10) -012/038page
教育工学
わかる授業にせまる教育機器の活用
(その3)− VTRとテレビカメラの基礎知織 −経営研究部 田母神 淳
1. VTRの学習指導への利用
VTR(ビデオテープレコーダー)はテレビ放送またはテレビカメラを通して送られてくる映像や音声を同時にテープに録画・録音し,それを必要に応じて再生できるので,テレビ教材のもつ特性をさらに拡大した機能を備えた教育機器である。
最近VTRはめざましい普及をとげている。それは,テレビ学校放送の利用がさかんになってきた中で(図 1.図 2)生放送に対する時間的な制約の解消と,すぐれた教材性などから,録画と再生の利用が多くなったこと,さらにテレビカメラによる教材自作の可能性が増したことなどによると考えられる。
VTRの機能を考えてみると,第一には,テレビ放送及びカメラやマイク等による映像と音声を長持間にわたり連続記録し,いつでも再生して視聴できる機能(カンブメ的機能)がある。これによって学習内容の理解や反復による効果を高めることができるばかりでなく,記録したテープは何回でも,いつでも利用でき,しかも長時間の保存も可能であることから,放送時間とは関係なく多学級での指導にも役立ち,必要な時に随時利用することにより学習に直結した利用ができる。
第2には,カメラで録画した映像を直ちに再生して客観的に提示できる機能(カガミ的機能)がある。これは今までの映像教材にはなかった即時再生の特生で,これによって録画教材を自作することが容易で,その場で結果を確認できるようになり,撮影時の不適やミスに対する不安が解消されるようになった。また実技や演技等の練習への利用で,実際場面をそのまま記録し,直ちに再生して問題の解決をしたり(たとえば,体育の実技でフォームを録画し,その場で再生して矯正する。)内容を深めたりすることができる。
2. 資料提示にテレビカメラの利用
だれでも気軽に使用できる教育機器としてOHPが最も広く普及してうるが,これからはテレビカメラの利用も見逃がすことはできない。これまではテレビカメラはVTRとセットをなしたものという考えで,教室内に単独で持ち込まれることが少なかったが,テレビ受像機との接続だけで,直接必要な資料等を教材として提示できる利点がある。テレビ受像機の画面はOHPのスクリーンと比較して拡大投映するには小さいマイナス面はあるが,テレビカメラを使用すれば,スライドやTPのように時間や手数をかけずに,しかも明るい教室内で,ごく小さな写真資料や印刷物,絵あるいは具体物を直接,生(なま)の映像で提示できる。もちろん提示資料の拡大や縮少も自由自在で,スイッチひとつで簡単に提示できる。市販の教材提示装置などの利用も考えられるが高価なものであり,本体が固定されてしまうのに対し,テレビカメラの場合には接続コ一ドの延長利用により必要な場所へ自由に移動することも可能である。提示する資料等の中で,色を再生する必要がある場合にはカラーカメラを使用するが,白黒のテレビカメラでも教科や教材によっては効果を十分に発揮できるので大いに活用したい。
なお,拡大して提示する場合,カメラのレンズに