福島県教育センター所報ふくしま No.58(S57/1982.10) -018/038page

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    <表 2>「道徳の時間」の指導実践

日 時 主 題 名 主題設定の理由(観点) 資  料
7月14日(火)
1校時
集団生活の向上
利己心,狭い仲間意識の克服
 グループごとの勝手な活動がみられることで,集団の和が軽んじられる傾向にある。 NHK録音教材・昭夫の日記,
「雨の日の教室」
9月21日(月)
5校時
健全な異性観
(理解・協力)
 男女の理解と協力が進められないことは,集団生活の向上を妨げるものである。 文部省道徳の指導資料
「男子がこんなに親切だったのか」
10月27日(火)
1校時
集団生活の向上
(役割の自覚)
自己の役割を果たすことで集団生活の向上をめざさせたい。 新しい生活,
「明かりの下の燭台」

(ア) 学級会活動は 「道徳の時間」の指導との関連を図りながら,次のような題材<表 3>を選び実施した。

    <表 3> 学級会活動の援助指導
日 時 題   材 題材設定の理由(観点) 事前・事後 援助指導の場
7月15日(水)
6校時
学級会活動の改善をはかろう。 7月14日(火)の道徳の時間の指導との関連から,より集団生活の向上がはかれる学級目標と組織活動について話し合い決定させたい。 ○ 事前・事後の学級企画委員会活動に参加
9月28日(月)
6校時
後期学級会活動の組織づくりをしよう。 9月21日(月)の道徳の時間の指導との関連から,より男女の理解と協力がはかれる学級会活動の組織づくりについて話し合い決定させたい。 ○ 事前・事後の学級企画委員会活動に参加
○ 生活班長会議に参加
10月16日(金)
6校時
後期学級企画委員会活動のめあてをたしかめよう。 学級企画委員会の役割と活動方針を確認させ,企画・運営の改善と集団生活の充実について話し合わせたい。 ○ 事前の学級企画委員会活動に参加
○ 短時間の学級の時間
10月28日(水)
6校時
学級会活動を充実させよう。 10月27日(火)の道徳の時間の指導との関連から自己の役割や責務を遂行することの大切さに気づかせ集団生活の向上への貢献について話し合わせたい。 ○ 事前の学級企画委員会活動に参加
○ 短時間の学級の時間

(イ) 個人指導については,男女各3名を抽出して生徒の実態把握(検査・観察・調査)をし本人に対し望ましい指導方針<表 4>をあげそれに添った援助指導を進めた。

(ウ) 観察による生徒の実態を把握するために観察カードを作り,生活行動の記録<表 5>をした。記録者は担任及び担任外の教師で観察し,客観性を高めた。

(エ) 家庭との提携については,学級懇談,家庭訪問,学級短信の場を生かしてきたが,主として学級短信には,学級の実態,それに対する保護者の声などを取り上げ,生徒,教師,保護者の三者の共通理解をはかるようにした。

(2)検証と考察

  1. 検証の観点
    ア 主として「集団生活の向上」のための道徳的要素の指導としての「道徳の時間」の指導では,3時間の取り扱いをしたが,それぞれの時間について事前・事後の意識の変容を分析・検討する。

    イ 主として「集団生活の向上を支える要素の指導については,道徳的実践を高めるために4つの場面で実施したので,これらの結果から態度・判断について考察する。

  2. 考察
    ア 主として「集団生活の向上」の道徳的要素の指導について
     このことについて「道徳の時間」の指導は,1時間目は「集団生活の向上」のための意識を高める導入としての取り扱い,2時間目では具体的な相互の立場の理解についての指導,最後に今までの学習の発展として役割の自覚について指導した。
     「狭い仲間意識」に関する調査<表 6>によると,事前は,低い意識から高いものまで,いずれも20%台であったが,事後においては,広い立場で判断できる生徒が50%台に達した。
     2時間目の主題「健全な異性観」についての指導からは,事前調査では給食時などの協力だったものが,わずかではあるがいろいろな場面(清掃・奉仕部・生活班)でみられるようになった。
     3時間目の授業については,事前に自分の役割分担について文章によって記述させたところ日直の例を上げるとその仕事への自覚は低いと判断される生徒が多かった。事後においては,主題「役割の自覚」についての資料を使って指導した結果,資料を通してではあるが「めだたないしごと」「自分の立場として役割を果たしたい」といった自覚や意欲が読みとれた。

    イ 主として,「集団生活の向上」を支える要素の指導について


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