福島県教育センター所報ふくしま No.58(S57/1982.10) -019/038page
<表 4> 個人指導記録
組織活動を充実するために学級会活動を主に指導を進めた。この結果,「道徳の時間」の指導で事後調査した場面(清掃・奉仕部・生活班)のように,男女の協力やリーダーの活動がめだってきた。さらに,このことは観察記録<表 5・表 7>でもみられた。
<表 5> 集団生活の観察記録
個人指導の態度の変容は主観的ではあるが,具体的な指導については,自覚した態度<表 4>がみられた。
他人とのかかわりにおいて,自分の行動について判断する変容についてみると,観察記録と個人指導においてみられる。それは,相手の立場の理解,きまりの遵守,集団への協力などである。<表 7−項目番号2.7.8.,表 4>
しかし,学級全体としての判断については望ましい方向に変容しているが,社会道徳の判断では,道徳性検査の結果でも低く問題であったが,今回の実践においても十分な成果は得られない。<表 7.表 8>
- 結果の考察
以上の考察で具体的な内容について述べてきたが,さらに仮説であげた「集団生活の向上を支える要素」8項目について調査をした。
その結果<表 8>,変容度合いの大きいもの(項目番号1.4.5.8.)と,小さいもの(項目番号2.6)がみられる。この中で,変容度合いの小さい,「きまりを守る」,「個性を伸ばす」については,今後の課題となる。この資料を詳しくみると,女子の態度や判断についての変容が少ないことに起因している。(3) 結論
これらのことから,「集団生活の向上」を支える要素8項目中,6項目についての変容は大きいことから,一応の目的は達成されたとみてもよいが,2項目についての問題があることは,十分な集団生活としての条件を満たしているとはいえない。
- 「集団生活の向上」のための道徳的要素4項目のうち3項目は変容も大きく,一応の成果はみられた。
- その他の指導場面で実践した4項目についても,3項目については変容が認められた。
- 「きまりを守る」,「個性を伸ばす」という点では,十分な成果を得ていない。
5 反省と問題点
(1) 「集団生活の向上」を支える要素及びその中に含まれる道徳的要素の取り上げ方としては,より具体的な場面を選定し,それを行動目標