福島県教育センター所報ふくしま No.58(S57/1982.10) -026/038page

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  1. 研究内容の三領域を総合的にふまえながら学期ごと次のように領域を焦点化させて19回の授業研究を実施した。
    年次目標と到達目標の重点化

(2) 第2年次の研究(昭和56年度)

  1. どうすれば「授業の創造」へつらねることができるか,本研究がねらう児童の理想像を掲げ,教師の体質改善への方策を検討した。
     たとえば,教師の授業に立ちむかう姿勢として,
    教師の授業に立ちむかう姿勢
     第1に反省すること
      ・ 自己の授業をきびしく内省し,授業研究での指摘をすなおにうけ入れ,問題点を発見すること。
     第2に改善する。
      ・ 評価し,改善の方策をねり,すぐに実践してみること。
     第3に創造へつなげること。
      ・ 昨日の授業より,今日の授業はある面で一歩前進したと自覚できる授業を連続させること。
      ・ 自分自身にあった,教材ごとの,あるいは発達課題にそくしたいくつかの授業のパターンをみつけること。
      ・ 児童の個性や能力が確実に伸びているという手ごたえがあり,変容が明確にとらえられること。
      ・ その変容が国語科だけでなく,他教科や教科外の教育に生きてはたらく姿がみられるようにすること。
  2. 第1年次は研究の三領域を学期ごとに焦点化したのに対して,当該年度は,学年の重点到達目標を明確にし,低・中・高に領域を分担した。
  3. 表現と理解の関連指導を重視したブロックごとの研究副主題を設定し,各学年研究推進計画によって研究をすすめた。
    低 学 年 読みを深める音読の指導はどうしたらよいか。
    中 学 年 読みを深める話し合いの指導はどうしたらよいか。
    高 学 年 読みを深めさせる書くことの指導はどうするか。

    学年研究推進計画 第3学年
    4  月
    [ ]単元名
    ・ 教材
    ( )時数
    [一] 読み方をくふうして
    ・ 子牛の話
    (10)
    [二] 書くことがいっぱい
    ・ 朝のできごと(6)
    <作文ノート>
    ・ 作文スケッチ(2)
    実態把握 ・ 学級の児童一人一人について音読の実態を録音する。
    ・ ABCDEの五段階に分け問題点をあげる。
    ・ 書く力の実態調査をする。
    題「わたしの母」
    時間20分
    文数・字数・漢字数
    授業実践 ・ 学習課題設定について教師の目標とのズレをしらべる。 ・ 書いた作文の評価をする。
    ・ 観点表でふりわけてみる。
    トレーニング ・ 各教科にわたって姿勢勢,学習用具,ノートの書き方,応答のしかた。 ・ 音読のトレーニング
    口型 発声
    (朝の時間)

  4. 創造的な思考過程から類推した1つのモデルとして基本的な指導過程を固めた。
    段階 基本過程 主となる学習活動,内容



    (1) 教材を調べる。 ・ 文章が読めるようにする。(漢字)
    ・ わからない文字を辞書で調べる(中高学年)なり,文脈の中で考えて全文を読み通す。
    ・ 第1次感想などを手がかりとして感想を話し合う。
    ・ あらすじをとらえる。





    (2) 文意を想定する。 ・ 読みの目標や学習問題をきめ読みの性格を決定する。
    ※ 低学年では「べんきょうすること」
     中学年では「学習問題」
     高学年では「追求課題」としたい。
    ・ 疑問の形で提出されている感想や対立する考えなどを整理して問題を設定する。
    ※ 本校では,特にトレーニングなどで,課題設定能力をつける必要がある。


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