福島県教育センター所報ふくしま No.58(S57/1982.10) -035/038page

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 図 1〜3で示したものを写真 1、2のようにして使用するものである。肩幅は自由に個人差により調節できるようになっている。材料は木質なのでコンクリートの面で訓練すると,木質とコンクリートを叩いた時の音の違いによって,外れたかどうかが分かる。タッビングはリズムが大切なのでメトロノーム等を使用して練習するとより効果がある。
 練習は一度に何時問と継続しないで一回20分位毎に練習する。実際に歩行させて後,また練習するというように繰返し練習していく。

その2  方向感覚訓練器

 盲時の中には親の不注意により運動感覚が発達する時期に身を拘束したり異常な過保護により発達を阻害する場合がある。また盲精薄のように脳に障害をもって生まれてきた者にも,そのような傾向がみ受けられる。このような子ども達は,訓練を重ねても左右が分らず,前後の感覚も分からない。なんとか実際歩行の前にレィデネスとして左右前後の関係を感覚的にとらえさせたいと思い考案してみたのが方向感覚訓練器である。

 図 4、図 5に示したように,木製の箱にふたをつけ十字のみぞをつける。箱の底に鉄棒を固定する。穴は棒の直径より大きめにして傾斜に対応できるようにする。四方からスプリングにより引っばり中心部で立つようにする。鉄棒の先端には木製の椅子の脚部のようなものをつけ握り易くする。

 使用例
 第一段階
  自由に左右前後に動かせる。(ねらい−動く範囲を感覚的にとらえさせる。)
 第二段階
  左といったら左に動かせる。右・前・後(手前)も同じようにして動かせる。ある程度四方間の,感覚がとらえられたら,四方向をいろいろと組み合わせて(左・左・前・右・右とか)練習する。
 第三段階
  行動と操作を結びつける。

 このようにして練習させることによりある程度の効果をあげることができた。

    写真 3
写真 3

    写真 4
写真 4

    図 4・図 5
図 4・図 5


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