福島県教育センター所報ふくしま No.59(S57/1982.12) -016/038page

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<研究報告>昭和56年度 学校経営(B)講座

教職経験の少ない教師集団を中心とした校内研修の進め方

郡山市立月形小学校 教頭  橋 本 倭 夫
(前三和小学校教諭)

1.研究の趣旨
 本校では.共同研究のテーマ「ひとりひとりの学習意欲を高める指導法」の研究にとりくんでいるが共同研究を進める過程において,また,年度の反省時において必ず指摘される問題がある。その問題を整理し,主なものをあげると,次の通りである。
 (1)学年単級であるため,学年ブロック等の推進組織が組めない。
 (2)教職員の構成が,経験の浅い層に片寄り,中間層の欠如したものとなっているため,経験の豊かな少数の層との間に共通点が求めにくい。
 (3) 研究に対して,外部情報が得にくい環境にあり,日常についての指導,学習活動等に対する客観的な判断など十分なものとは言えない。
 このような問題をふまえながら,共同研究(研修の場)として,それぞれ研究メンバーの立場を配慮しながらの推進計画を検討することが大切になってくる。そこで.共同研修を成立させる前提条件としておさえなければならないものを協議し,次の2点に焦点をあててとりくむこととなった。
(1)経験差をふまえた共同研修のありかたを検討する。
(2)教職経験の浅い先生に対する自己研修の機会をできるだけ多く位置づける。
 以上の二点をふまえながら,研修主任の立場からは,「共同研修を通して,経験の浅い先生には研修に対する必要感やとりくみ方への理解を深め,経験の豊かな先生にあっては,経験の少ない先生をリードしながら,さらに深まりのある自己研修と機会とする」さらに,「現在おかれている状況の中でどのようにとりくめばよいか」について望ましいあり方を求めていくことであった。

2.見とおし
  共同研修を進める過程の各段階において,経験の少ない先生に必要な研修内容をとり入れ,ひとつひとつをさぐり,確かめ合う機会を位置づける。それにより,日常の実践に結びつく研究への理解も深まり,意欲的な参加がみられるようになるであろう。

3.研究の方法と対象

(1) 研究の方法
 1 共同研修の必要性に関する諸調査などをもとに,学校の実態に即した問題点を明らかにする。
    ア、学習指導を進めるうえでの問題
    イ、学級指導の改善に対する考え方
    ウ、共同研修の進め方
 2 研究テーマ 推進計画等について(継続2年次)の再吟味をする。
    ア、研究テーマについて
    イ、研究計画について
    ウ、研究参加のあり方について
 3 1と4をもとに研究の内容を明らかにし、改善策の検討をする。
    ア、共同研修の推進計画について再検討し,改善点を明らかにする。
    イ、研究内容,研究の具体的な方法を明らかにする。
 4 改善案をもとに実践する。
 5 実践についての評価,発展のための方策について検討する。(今後の課題を明らかにする。)

(2) 研究の対象 (教職員11名)
経験年数 0〜5 6〜20 21〜
男子教員 2 名 0 名 4 名 6 名
女子教員 4 名 0 名 1 名 5 名


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