福島県教育センター所報ふくしま No.59(S57/1982.12) -017/038page
4.研究の結果と考察
(1)第1年次の研究計画の改善に関する調査と考察
第1年次における研究の反省として,「共同研修に対する意識」(特に教職経験の少ない先生の考え方)について調査し,その結果を分析することから「共同研修のすすめ方」の改善策の手がかりを求めた。調査1 共同研修に対する意識調査
1 共同研修は必要と思いますか。
<考察>
調査対象の先生の中には,今春採用になった先生も含まれているため,共同研修の何かも十分に知らないまま解答していることも考慮しなければならない。しかし,研修の必要性についてはほとんどの先生が考えていることは確かである。その理由については,若い先生の多くが考えていることに,自己研修の指針になるとか,日常における指導上の欠点を補う特効薬のような期待感があり,自己中心的な判断(結果的には)となってしまうようである。その他の項では,ひとつにしばって答えることができないとした。「組織的研究として,学校全体の高まりを考えている」というこたえが含まれている。
(経験の深い先生の場合)
以上のことから,「組織的な研究により学校全体の高まりを考えることは当然のことであるが,経験の少ない先生方の期待にどう応えていくか,本校の共同研修のあり方としては重要な課題である。調査2 共同研究の進め方に関すること。
1 学校全体など組織的研究への参加経験について
参加経験年数 0〜2 3〜5 6〜9 10〜 合 計 人 数 6 1 0 4 11 2 研修に参加するに当たって障害となる要因について(研修に対する意識)
項 目 人 数 研修のしかたがわからない 7 ねらいや内容が理解できない 3 研究のための時間がかかりすぎる 3 研究内容が日常の実践にむすびつかない 2 自分の考えがあまりとり入れられない 1 その他 0 <考察>
1 の調査から推測できるところであるが,本校の場合,共同研修への参加経験の少ない先生が多く,(10年以上の経験者は校長,教頭を含む数である)したがって,研究推進の中核となるのは経験の少ない先生であり,それらの条件を十分にふまえてとり組む必要がある。そこで考えられることは,研究推進のため「時間が少ない」うんぬんより,共同研究そのものに対する認識を深めるところにある。その内容を2 から見ると(二項目にわたって答えているため合計人数が増えている)「研修のしかたがわからない」と「ねらいや内容が理解できない」など,組織的な研究以前の問題を解決しなければならないことなども明らかになった。
そこで,「研修の内容としてはどんなことをのぞむか」という点で,日常の実践から問題をほりさげた。その結果,
(1) 学習(指導)過程のくみかた。
(2) 指導目標(単位時間等)の具体的なとらえかた。
(3) 学習への動機づけ,課題意識の持たせかた。
(4) 教材分析や精選のすすめかた。
(5) 発問,反応の扱い方。
(6) 評価のしかた
その他,日常における指導上の悩みが問題として表出された。この状況からも判断できるように,研究テーマに迫る組織的な研究を進めると同時に,日