福島県教育センター所報ふくしま No.60(S58/1983.02) -013/038page

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 アダルト(A)の自我状態とは,感情の動きに流されることなく,冷静に現実をみつめ,客観的に物事に対処している状態である。つまり事実に基づく情報を集めたり,冷静に問題を解決している言動などである。
 例えば
  「今何時ですか」「今日は月曜日です」「なくした現金はいくらですか」「どこで落しましたか」「人間とは不可解ですね」

 チャイルド(C)の自我状態とは,幼児の時の感情や言動などが再現されている状態で,Cには親を意識しない自然(自由)のC(FC)と,親を意識した順応のC(AC)の2つがある。

 自然のC(FC)の自我状態とは
 無邪気で,のびのびとふるまったり,ハメをはずすような言動などをとっている状態。
   例えば
    「私はダメなのよ」「こまったなあ」
    「タバコをちょうだいね」「お茶を入れて」

 順応のC(AC)とは
  従順であったり,反発したり,又,すねるような言動などをとっている状態
   例えば
    「すみません!!」「お母さんは私のことをちっともわかってくれない」「いやだったらいやだよ!!」

 次に例を通して,さらに自我状態についての理解を深めたい。
  “サイフをなくして困っている子供に対してのかかわり方”

例

CP的なかかわり方
(声は大きく,言葉は荒々しく,きついし,きめつける言い方,又,表情も険しい)
「あれほど注意しておいたのに!!何度言われればわかるんだ!!」「これで二度目じゃないか,お前は本当にバカなやつだ!!」

NP的なかかわり方
 (声も,言葉も,表情もやさしく,おだやかに保護的に)
 「大丈夫よ,心配しないでね」
 「いっしょに探してあげましょう」

A的なかかわり方
 (冷静に,機械的に,又,平然として,感情を表さない)
 「いつ,どこらへんでなくしましたか」
 「いくら入っていたのですか」

p> FC的なかかわり方
 (無邪気に,おもしろがって,表情も豊かに)
 「アッハッハー,又,やってしまったね」
 「なくすぐらいなら私がもらっておけばよかったね−」

CP的なかかわり方
 (すねたり,恐縮したり,又,反抗的な態度で)
 「私に言われてもどうしようもないよ」
 「これからどうするつもりなのよ!!」

(2)交流分析(TA)の種類
TAには,次の4種類の分析がある。
 1 構造分析(自我状態の分析)
 2 交流分析(やりとり分析)
 3 ゲーム分析
 4 脚本分析(人生脚本の分析)
詳細については次回にゆずりたい。

3.おわりに
 自分がどのように行動し,どのように感じているかということに気づくことが人生を豊かに生きることにつながることと思う。そのため,自分を理解する一つの方法としてTAを今後,教育相談に利用していきたいと考えている。

参考分献
 自己実現への道   M・ジェイムス他
 エゴグラム   デェセイ
 孤独よさようなら   国谷誠朗
 第47回TAセミナー資料   国谷誠朗


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