福島県教育センター所報ふくしま No.60(S58/1983.02) -018/038page

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する職員の能力,個性に応じた公平さであることを理解させる方向で指導していくことが必要と思われるが,難しい問題である。

 調査5 では,ほとんど全員が,自分が担当している校務は重要であると回答していることから,校務分掌については,前向きに受け止めていることがわかる。しかしこれも,調査6との関連でみると,「重要な仕事である」と回答した職員の半数が「補助的な」又は「校長から割り当てられた」と認識している。(下表参照)
6 校務分掌とは\5 重要な仕事か は い どちらとも
いえない
いいえ
教育活動を支える補助的な仕事の組織 10
授業に直接関係ない仕事の組織
教育目標達成のための補助的な仕事の組織
教育目標達成のための協力組織 17 19
校長から割当てられた仕事の組織
33 37

 もちろん,教育活動の中心は教育課程の実施であるから,それ以外のものという意味で「補助的」というとらえ方をした職員もあったと思われるが,それでも,校務分掌に対する認識が,必ずしも十分でないことがうかがわれる。
 したがって,ここからは,校務分掌に対する正しい認識を得させる方向への指導助言の必要性が感じられた。

ウ,校務処理上の問題点について
 調査7 では,ほとんどが「例年通り」あるいは「経験をもとにして」と回答しており,そこからは,「仕事があるからやる」「例年通りやりさえすれば」といったマンネリ化した姿勢がうかがわれ,より効率的な校務処理のために創意工夫を働かせたり新しい情報に基づいて改善しようとする意識の低いことが問題である。

 又,内部で校務の分担を明確にして処理している係は少なく,主任まかせのすがたが,調査8 にも現れていると言えよう。
  ここで大半を占めているのは,「時間の不足」である。たしかに,限られた時間の中で校務を処理しなければならない現状では校務の精選や,内容によっては処理手順のの標準化なども考えなければならないが,この研究では,「どこまでやったらよいか」「自分の責任でできる範囲」などがはっきりしないことを問題にしたい。
 したがって,指導助言の方向として,創意工夫を生かした校務の処理,新しい情報の提供,実施時期,到達度の明確化などを考えた。

(3) 実践事項
1 指導助言の基本姿勢
 ア 本校が現在かかえている課題の解決に直接関連する内容を対象とする。
  指導助言によって,その校務が本校においてどのような意味を持ち,なぜ必要かを認識させ,その処理を通して本校教育目標の具現を図るものである。
 イ それぞれの校務について,実施時期,到達程度を具体的に示す。
  校務の処理について技術的なことや,権限の委譲の範囲を明示し,職員が戸惑うことなく処理できるようにする。
 ウ 会議等の席上よりも,インフォーマルな場での指導助言に重点をおく。
   一人一人の職員が,自覚して指導助言を受け止められるよう,できるだけ,日常の何気ない話題の中で指導助言を行う。
 エ 指導助言に当たっては,次の点に留意する。
  (ア) 職員の個性や繁忙の程度をよくは握し受け入れやすいように指導助言を行うこと。
  (イ) 職員の考えを専重し相談的に行うとともに,言葉遣いを慎重すること。
  (ウ)処理の過程をよく見守り,必要に応じて励ましたり,ねぎらいの言葉るかけること。
  (エ) 直ちに実施されない場合でも強制しないで,実施する職員の自覚を待つこと。

2 実践例
指導助言内容(要旨) 係の実施内容(概要)
・生徒の学力の実態を ・次の内容のプリント


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