福島県教育センター所報ふくしま No.60(S58/1983.02) -031/038page
クの作成および配布, 383名にもおよぶ中学生の体験入学実施,進路に関する資料の整備と効果的な活用の研究,各科への視聴覚教材の提供など2年間の研究とは思えないような内容の充実した分野であったように思われる。
学校紹介番組に対する反響についてアンケートの集計結果を参考にして,具体的評価についてふれてみたい。昭和56年および57年度に本校に入学した1年生に対して,それぞれ同じ質問項目を設けて,アンケート調査をしたが,その中から広報活動に問われると思われる項目について取りあげてみる。なお,昭和56年度本校に入学した生徒(359名)は学校紹介番組をみておらず,57年度入学した生徒は,中学生の時に学校紹介番組を見た生徒(297名)と見なかった生徒(50名)とに分かれている。学校紹介番組を見た生徒の半数近くが「中学校進路説明会」で本校(学科)に関する知識を得ている。これに対して,学校紹介番組を見ていない生徒は,約半数が「中学校の進路指導」によって得ている。学校紹介番組だけがすべてではないが,中学生にとって本校学科を理解するのに学校紹介番組が役立っていることは,間違いない事実である。
学校紹介番組を見た生徒において,本校に入学したおもな理由として,「学科の内容が自分の興味,関心にあっている」,「希望する職業に就くのに有利」,「専門の知識・技術が身につく」をあげているものが90%近くもあり,本校入学に際して,自分なりの目的意識をもっているものと思われる。
以上のようなアンケートの集計結果をまとめてみると,特に56年度,57年度の比較において次のような点が評価されよう。2つのグラフともVTR番組の映写などによる広報活動を受けた生徒と,受けていない生徒の差が顕著であり,広報活動をうけた生徒は,自らの意志で本校受験を決定している傾向が強く,中学生の進路決定にあたって,本校の広報活動が効果的に作用しているものと判断できよう。3.中学生体験入学
第2年次に実施した中学生体験入学については,56年度より事前研究として,一般来校者に対する学校公開を実施し,更には体験入学に関する資料を収集するなどの活動を行った。計画立案にあたっては,中学生,中学生父兄,地域社会の人々に職業高校の教育内容や進路状況などを理解してもらい,また,中学生が自主的に明確な目的意識をもって入学