福島県教育センター所報ふくしま No.62(S58/1983.08) -013/038page

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生 徒 指 導

生徒指導における学校と家庭の連携

経営研究部  藤 本 忠 平

 前号(61号)「発達課題に即した生徒指導の一貫性」の中で,現在増加の一途をたどる児童生徒の非行や問題行動の背景・要因の一つとして,家庭における指導機能の低下を取り上げている。それを受けて本号では,少年非行の概況や家庭教育について考察し生徒指導における学校と家庭の連携という視点から述べることにする。

1.昭和57年少年の補導と保護の概況(県警本部) 少年の補導と保護の概況での特徴的傾向は,非行少年5,537人(前年より14人0.3%増)で伸び率は鈍化したが,件数は昭和50年以来8年間連続増加,刑法犯少年は人口比20.5人(14〜19歳少年1,000人比)で戦後最高(東北1位.全国15位)と公表されている。特に低年齢化が進行中である点が注目される。

 表1.学識別状況
学職別\年別 昭57 昭56 増     減 昭57年

構成比

人員  %
総数 5,537 5,523 14 0.3 100
未就学          

小学生 517 537 △20 △3.7 9.3
中学生 1,972 1,776 196 11.0 35.6
高校生 1,630 1,720 △90 △5.2 29.4
大学生 11 21 △10 △47.6 0.2
他の学生 81 98 △17 △17.3 1.5
4,211 4,152 59 1.4 76.0
有職少年 718 832 △114 △13.7 13.0
無職少年 608 539 69 12.8 11.0

 表2.年齢別状況
年齢別\年別 昭57 昭56 増    減
人員  %
総数 5,537 5,523 14 0.3
10歳未満 148 186 △38 △20.4
10歳 102 113 △11 △9.7
11歳 171 141 30 21.3
12歳 266 282 △16 △5.7
13歳 583 594 △11 △1.9
14歳 841 708 133 18.8
15歳 888 804 84 10.4
16歳 998 1,023 △25 △2.4
17歳 697 728 △31 △4.3
18歳 511 526 △15 △2.9
19歳 332 418 △86 △20.6

 また家庭環境では,「両親あり」及び「中流」の生活程度が大部分を占め,ごく普通の家庭の少年非 行が多いことがわかる。また母親が仕事のため昼や 夜間不在となる家庭は乙340人で全体の49.2%を 占め,居住形態別では家族と同居が93.8%である。

 図1 家庭関係 生活程度
図1家庭関係 生活程度

 図2 母親不在の状況
図2母親不在の状況

保護者の態度別では「放任」が1,736人,36.5%を占め,次いで「干渉しすぎ」「気まぐれ」「溺愛」「拒否」の順となっている。
図3保護者の態度別

 また,学生生徒3,966人中学業不振が403人(10.2 %)学校嫌い220人(5.5%)が非行の背景にあると述べている。


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