福島県教育センター所報ふくしま No.62(S58/1983.08) -018/038page
ば,まとまりのある文章を書くことができるであろう。 ・カード利用
右のようなカードを作り,児童の作文に欠けているところやくわしく書いた方がよいところがあればそこに赤線を引き,番号で示す。一方,カードにもその番号で示し,その治療方法も書いてやる。
・個別化
カードを利用して個別化を図るだけでなく,全員で14名という小人数学級の利点をいかして.机間巡視しながら,児童と1対1で作文の良いところや悪いところを話し合う。・診断的、治療的
児童の作文を読み手にわかるように書いてあるか(だれが,いつ,どこで,何をしたをおさえて書いてあるか)という観点を中心に診断し治療的に指導する。・まとまりのある文章
ア 題材について順序よく,文を構成してくわしく書いてある。
イ 主述の関係が明確であり,また, いつ,どこで,だれとがはっきり書いてある。
ウ 様子や気持ちを表す言葉も少しは使ってある。
エ 記述量は200字〜300字ぐらいの文章が書ける。
オ 文の数は10センテンス程度。3.計 画
(1) 方法 一群法による
(2) 対象 1年生14名
(3) 組織 個人研究
(4) 日程1 事前研究の段階(6月〜9月)
ア 研究計画作成 6月 イ 研究王題の設定 6月 ウ 文献研究 6月〜7月 エ 仮説の設定 7月 2 検証の段階 (9月〜11月)
ア 教材研究と指導計画の作成 9月 イ 事前作文 11月 ウ 事後作文 11月 エ 定着度をみるための作文 11月 3 整理の段階
ア 作品の処理と分析 12月
イ 研究のまとめと反省 12月4.概要と考察
(1)研究の経過
1 検証までの準備
ア 研究をより確実に,かつ,効果的に進めるために,小学校学習指導要領の第1学年の目標と内容を確認する。
イ 作文の指導段階を検討する。
話すこと,書くことがまだ不十分な入門期の作文指導は,やはり口答の作文から入り,一応整った文が書ける「いつ」「だれが」「だれと」「どこで」「何をした」という,最も基本的な表現要素を身につけさせなければならない。
ウ 児童の文章表現力の実態を把握し指導資料を整える。
・ 子どもにどこが欠陥なのか,納得できるように指導するために,児童の作文力の実態を把握し,児童の作文から多くの欠陥文や良い文の例を備えておく。そのためにも,口答作文の機会を多くとり,日記指導に力を入れ継続して取り組んでおく。2 検証授業計画
ア 単元名 よくおもいだしてかこう
イ 目 標
・ 昨日したことの中から一番書きたいことを選び,したことの順序をたどって様子がわかるように書くことができるよう にする。
・ 文章を書くとき「いつ」「だれが」「どこで」「だれと」「何をした」をおさえて書くと,よくわかる文章が書けるようにする。
・ 主語述語の照応に気をつけると同時に