福島県教育センター所報ふくしま No.62(S58/1983.08) -024/038page
現されていないことと,それを具現する場は,教料・道徳・特別活動のいずれであるのか,さらに,何年生では,どの目標を,どの程度指導したらいいのかが明確にされていないからであると考えられる。
その結果,指導者は,指導書に示されている指導内容を目標にすえ,近視眼的な指導となってしまう。
指導する教師にとって,各教科の目標は,指導書などに明示されていてわかるが,教育目標は各教科にどのように結びっけるかが不明確のままであることが多い。
ところで,教育目標を教科・領域の指導計画の中に具体的に計画し.生かすとはどうすることであろうか。先にも述べてはあるが,教科独自の目標を達成しながら,終局的には教育目標への志向をはかる各教科の指導計画と教育目標を結びつけるには,教育目標を分析して各教科の目標に関連づけ,指導計画の単元や王超のねらいとして具体的に生かしていくことであろう。
しかし, 指導の内容により,具体的に計画しにくいものもあるので,その教科の内容を展開する過程で,常に全人的形成の上にどう寄与できるかを考慮しなければならない。
要は,学習指導要領の各目標と教育目標との関連をはっきりさせ,それぞれの指導計画の上に教育目標にそった指導を意識的に反映し,実践することが大切であろう。
下の図は,上に述べたようなことがらをふまえて教育目標を指導計画に生かした一例である。
教育目標から,年度の重点目標を定め,それを,さらに価値内容の分析をしている。
次に価値内容を分析した15の要素を,各教科・領域に配分し,学習指導要領との関連を図りながら学校としての独自の各教科・領域の学年目標を設定している。このような手続きがなされておれば,教育目標は教科・領域の指導計画の実践展開を通して達成されていくことが期待できよう。
参考文献
・学校運営研究 No.212 日俣周二 明治図書
・現代学校教育全集「教育目標」奥田真丈 ぎょうせい