福島県教育センター所報ふくしま No.62(S58/1983.08) -025/038page
アイディア紹介
教材・教具の工夫と活用
田島町立田島小学校 教諭 星 和 雄
1.はじめに
2 教具の工夫・活用例 (1)物理教具を生物教材に利用した例 5年生の「魚の育ちかた」の学習で,メダカのおすとめすのからだのようすを観察させる際に.光学水そうを使うと便利である。
市販されている教材・教具には,実に精密であり,教育効果の期待できるものが多くなってきた。しかし,価格も高価で欲しいがままに入手できる現状ではない。このようなことから過去いくつかの自作教具の製作に取り組んできたが,労力と時間を費やした割りにはメリットが少なかったり,経費を掛けた割りには使用頻度数が少なかったりする例が多かった。
そんなことから自作教具の製作にも限界が感じられ,それよりも手軽に授業に導入できる方法はないものかと考え,自作教具の製作から教材・教具の工夫・活用ということに眼を転じ,現在自校の備品を,角度を変えて利用する方法を考えて見ることにしている。
即ち,生物教材の器具であっても物理教材に利用できないか,とか,地学教材の備品であっても化学教材に利用できるものがあるのではないかという発想の転換をはかり,子どもたちと共に教材・教具の工夫・活用に努力している。
その中からいくつか紹介したい。
1 光学用水そう活用の利点
ア、四方八方から観察できるのでグループ観察に適している。
イ、手軽に持ち歩きができる。
ウ、幅が狭いため動きの観察が容易である。
エ、C面からの観察によって,個体の下部の観察ができる。
オ、平面なので正確に実物大で観察できる。
カ、水を浅くすると,OHPで写し.動きを観察することができる。
≪メダカの観察風景≫
2 その他の活用例
光学用水そうはこのほかにもたくさんの使い途が考えられる。
ア、1年生の「わたしたちとどうぶつ」で,
・虫のかんさつ
・かたつむり
・金魚のからだの形,えさの食べ方
イ、2年生の「草むらの虫」での
・虫のからだのつくり
このはか数多くの利用法があるが,光学水そうは,長期観察ではなく,一時的な生きものの観察に利用するのがよい。